若草色とエメラルド
「誰よ、ソレ…」
アリアがビックリした声で叫ぶ。
「子爵子息…私の父ですわ。私の父は貴方達の両親に殺されましたの!帰ってくるって言ったのに…! なんで人殺しの子供がルキアス様の隣に立っているのですか?!」
「違うわよ!パパもママもその人を殺めてなんかないもん!」
「違わなくてよ!私の特徴はルーズーフ家系にそっくりなんですもの!死ぬ間際にお母様から聞かされたましたもの!キリィ・エイデンとマーリ・エイデンはアミリア・エイデンを殺害した後に父も殺されたって…!」
「アミリアって誰よ?私達はそんな人知らないっ!」
アリアは何を言っているのかわからない、そんな目で令嬢を見ていた。
「人殺しの娘達が高貴なお方の隣に立つ権利はないのですわぁ!」
ふふんと鼻を鳴らし、令嬢は真っ直ぐ見てくる。
ーーージョンとは少し違う、若草色の瞳で。
ちょうどダンスが終わり、レベッカとアレクが戻ってきた。
紫リボン令嬢の登場にレベッカは少し驚いていたが、木の影から現れた男の登場にさらに驚いていた。
「お前は俺を慕ってるって言いながらアレクにも愛想振りまくんだな」
「お兄様ッ…!!」
修羅場が修羅場を呼んでいた。