またかよ!
その光景を見ていた私達。
ちゃっかり、ルキアスが隣に来て恋人繋ぎにされていた。やだ、怖い。
ライアンもアリアのそばに近寄り、アリアが笑って頷いていた。
ミリアムは、安定のシロンの隣をキープしていた。おかしい、お前らはなんだ。
ひたすら呪文の様に、ミミさんミミさんって聞こえる。シロンは無視して「ダンスって難しそうですねー」と他人事で、カーラはひたすらデザートバイキングを楽しんでた。
周りも少し距離を置く。結構目立ってるわな、この状況。
「やっと、目が覚めてるリアに会えたね。いつも目を閉じているから。やっと声が聞こえたよ、可愛いリア。ようやく会えたね、休みの日はいつも一緒に居ようね、たくさん愛し合おうね、可愛いリア」
隣の変態もぶつぶつ呪文を唱え出した。
目が覚めてるっておい!!
「あいつを見つけ出したら朝からずっと一緒に居ようね、夜まで語り明かそうね、いっぱい学生生活楽しもうね。リアの髪の毛すごくおいしかったよ」
キモい、ヤバい、キモい。
「繋いだ手を離したくないよ、離す気はないけどね。可愛いリアの香り、僕が贈った香水だよね、使ってくれてありがとう。一から作ったんだよ、リアの事を考えてね。可愛い可愛いリア」
しばらく会ってないうちにヤンデレ現象が進んでるみたいだ。顔を合わせたくない、ヤられる。
そんな事を考えていたら1人の令嬢が私たちの前に現れた。
自然とルキアスの握っていた手に力が入り爪が食い込む。痛い。
緑の混じった茶色、若草色の瞳。
「リリア・エイデン、私は今からあなたを断罪しますわ!」
アメジストとシルバーアクセサリーをギラギラに付けて紫のでっかいリボンカチューシャ付けて腰まで巻いている髪の毛にもテカテカと銀色のラメが加わわっている令嬢が、そう叫んだ。
隣にいたルキアスに熱っぽい視線を送りながら。
「貴方はあろう事かその身体でルキアス様を惑わし無理矢理婚約まで漕ぎつけ、ルキアス様を縛っているのですわぁ!」久々聞いたな、ぶりっ子口調。
ふと視線をアリアとレベッカに送る。レベッカはダンスをしているから気付いてないだろうな、アリアは首を左右に振っていた。否定すんなや!
「そもそも、身分が卑しいのですわ!貴方の血に流れている平民の血でルキアス様の婚約者になろうものとは…!」
マーリの事を知っている?
アリアも訝しげにその令嬢を見ている。
「罪を犯した卑しい女の子供はやっぱり卑しいのですわね!ルキアス様から離れて下さいまし!」
「罪を犯したって何よ?」
ちょっとアリアが参戦したじゃないかい!
「知りませんの?貴方達の親はーーー」
「私の父、ジョン・ルーズーフを殺したのですわ!」
ジョンかよ!