夢と指輪
変態入ります
その夜。夢を見た。
金縛りに合っていた。身体が思うように動かなくて、声も出なくて。
昼間、あんな話をしたからだ。
夢の中の私も寝ていた。
ルキアスが目の前にいて、指を絡めてきて。
左指を口に咥え、歯形をつけてウットリしていた。痛くはない、夢だから。
夢ならもう少しロマンチックなシチュエーションがいいのにな、と。考えてしまう。
そう思えば思うほど、彼の変態がエスカレートしていった。
下着の話をされた事があったからか。彼に脱がされていってパンツ頬擦りしていた。代わりに、と言って違うデザインの下着を履かせていく。
夢だ、夢なんだ!せめて、夢の中だけでもカッコ良くしていてくれ!
私の願いは届かず、ルキアスは太ももや足の裏を舐めてきた。
目を覚ますと、薬指に指輪が付いていた。ピッタリサイズの。シルバーの土台にアメジストが付いてる。指輪を引き抜いて観察したら裏側に何か器用に彫られている。
[死ぬまで一緒に居ようね、来世でも隣に居ようね、死んでも一緒だよ]
…呪いの指輪かな?!普通は永遠の愛を誓うとか書かれているはずなのな!
アレが夢じゃないとすると…
思わずパジャマスカートを捲り、下着を確認する。よし、大丈夫!きちんとある!昨日着ていたやつだ!
足の裏を舐められた跡もない!太ももも…内股に昨日は付いていなかった内出血があった。
嫌な予感がする。
衣装棚に入れていた下着の数を数える。数枚足りない!
他に何か足りないものがあるか確認していくと…
歯ブラシが新しくなっていた。
夏なのに、背筋が凍っていくのを感じた。
指輪に彫られた言葉が蘇る。
死ぬまで一緒に居ようね。
夢の中のルキアスがうっとりした顔で、そう言った気がした。