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追憶のEarth-er  作者: だーぎー
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75 暴走とさらなる不安要素

 スイとキオンはユーシアの言葉に頷く。どうやら、ここで発生した竜巻や謎の自然現象の数々に関して2人とも全く記憶がないようだった。


 暴走を起こしていたフゥ自身も2人同様何も覚えていないらしく、不思議そうな顔でシェンザー達の方を見つめていた。シェンザーはここであったことを話すべきかどうか少し悩んだが、やはり何が起きたのかを知るためには少しでも多く手掛かりが欲しい。すべてを彼らに話すことにした。



「そんな……僕がユーシアを、傷つけたの? 2人を危険な目に合わせた……? 」


 シェンザーの話を聞いているうちにフゥの顔はたちまち青ざめていく。スイとキオンも同じように青ざめ、顔を俯かせている。


「竜巻だけじゃなくて、雨や雲が生まれたってことは……きっとアタイらも同じ……だよね」

「うん……そうだね。何も覚えてないけど……フゥと同じで暴走したんだと思う」



 悲しそうな顔をして俯く3人の姿を見て、シェンザーとユーシアは慌てて慰める。


「だ、大丈夫ッスよ! 確かにちょっと吹き飛ばされたッスけど……誰も皆の事を責めてはいないッスよ! それに、【ミザルの湯】にもほとんど被害はないし職員の人たちも誰も怪我してないッスから。 ね、シェンザーさん!」


「そうだよ、フゥも皆も、わざとこんな事するなんて誰も思ってないよ。でも……僕らがここへ来たときに皆が倒れていたのが何故か知りたいんだよ。あとドーム内に突然現れたあの竜巻とそれから雨と雲っていうのについても」


 二人の言葉に、さっきまで泣きそうだったフゥも少し安心したようで、呼吸も落ち着いてきた。真っ先に話し始めたのはキオンだった。


「アタイら……いつものように【ブーストボード】で遊んでいただけなんだよ。だから一体何でそんなことになったのか……」


 スイもフゥも心当たりがないらしい。ふと思い出したようにシェンザーがあたりを見回し、異変に気づく。


「ユーシアはまだ【ブーストボード】を装着したままなんだよね。……どうしてフゥを助けた時に使った【ブーストボード】が5機あるの? もしかして……もう一人誰かいた? 」


 フゥを助けるために用いた【ブーストボード】は5機。装着したままのユーシアを除くとここにいるのは4人だ。しかしシェンザー達にはこの場にいたであろう人物にもう一人心当たりがあった。

 フゥたちも言葉を躊躇っているようで互いに顔を見合わせていたが、やがて言い逃れはできないとゆっくりと言い始めた。


「それは……ドウクツって名前のアーサーが使ってたんだ」

「やっぱりそうだったのか。あのアーサーが……」


「って事は……もしかしてあのアーサーの仕業だったんッスかね? 」


 ユーシアが当然のようにドウクツに疑いをかけ始めるも、スイとキオンが即座に否定する。キオンに至っては今にも噛みついてきそうな勢いだ。


「違うよ! だってドウクツは友達だもん! 」

「そうだよ、いくらユーシアでもアタイらの友達を疑うってんなら怒るよ! 」


 心なしかキオンの怒りに呼応するように周りの空気がゆらゆらと揺れて見える。あまりの熱気と怒りのオーラに気圧されてユーシアは何度も平謝りしている。シェンザーは座り込んだままのフゥに質問する。



「ねぇ、皆はいつからあの……ドウクツと会っていたの? 」

「【ミザルの湯】の営業が再開してからだよ。僕ら、整備の日は決まってここで遊ぶでしょ? その日程に合わせてここで合う約束をして、毎週一緒に遊んでたんだ。でもドウクツは人間たちと仲良くやるつもりなんかないからって、人間には内緒にしてくれって言うから……」


「それで僕らには何も教えてくれなかったんだね。じゃあ……本当にドウクツは君達と遊びに来ただけなんだね? 」


「いや……最初のうちは、ドウクツは勧誘に来てたんだよ。僕らとは別の方法……人間と手を組む以外の方法で、仲間を集めてアース復活のために動いているアーサー達がいるんだって。


 ドウクツはゼルを使って、地面に抜け道を作って移動できるんだ。でもドームの床は穴を開けるとゼルのプログラムで警報が鳴るから無理なんだって。


 それでも【ミザルの湯】の地下室とか砂の地面みたいに穴を開けられる場所を探して、リバイブ中を歩き回って仲間を集めてるらしいんだ」

 

 どうやらドウクツは他のアーサー達と組織的に動いているらしい。一体どれだけのアーサーが集まって動いているのだろうか。少なくともフゥの話を聞く限りでは、なにかこの惑星の人間に勘付かれないように動いているらしい。もしも彼らがこの惑星を危険に晒すような作戦を実行しようとしているのだとしたら……。


 アーサーの暴走、そして気掛かりな未知のアーサーの動向。考えなければいけないことが増えてきた。

 シェンザーの頭に渦巻く不安を掻き消すように、彼の白衣のポケットで携帯電話がけたたましく鳴り響いた。シェンザーは大慌てで携帯電話を取り出す。


『ちょっとぉ!! 一体どこで何やってるんですかぁ!! 』

 

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