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追憶のEarth-er  作者: だーぎー
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57 二人の助っ人

 会議から5日後。やはりアラムの行動力は凄まじい。既に大方の準備は整っており、今日は営業再開前のエンノスケによる最終チェックの日だ。


 今回の催しは話し合いの結果『惑星サンディナから新しい癒やしを提供! 【ミザルの湯】発サンディナフェア 〜砂の大地へご招待〜 』というタイトルに決まった。

 入口ゲートから【ミザルの湯】本館までの道のりは敷地からかき集められたかなりの量の砂で埋めつくされている。館内や屋上にあった砂も清掃のついでに外へと運び出しているため、元の姿が完全に隠れて地形が平たく変わっている。


 砂の敷地の中央には冷たい水が心地よい巨大プールを設置しており、砂漠の中のオアシスとして役割を果たす。オアシスの周りにはサンディナの民たちによるサンディナ風の料理や民族衣装などが買える売店のテントも並んでいる。


 オアシスをぐるっと周り、敷地をさらに奥に歩いていくとアラム待望の砂風呂が作られた。砂風呂ゾーン一帯のゼルから産み出された砂はリオンやシェンザーの不眠不休の作業によってプログラムの再構築が施され、一粒一粒が衛生面にも配慮した身体に良い効能プログラムを含んだものになっている。

 アラムやシェンザー、ユーシアは一足先に実際に試してみたのだが、あるいはこれがこの惑星の民にアースの良さを伝える足掛かりになるかもしれないと感じていた。



 



 もうすぐ【パラダイスモンキー】地区代表のエンノスケが視察に来る。彼を納得させられる完成度に仕上がらなければ営業はできない。そのためにはもう一つ、最後の仕掛けを行わなければならない。

 

 

 アラムはシェンザーとミスズを連れて【ミザルの湯】の入口ゲート付近へとやってきていた。最後の仕掛けのために二人の力を借りなければいけないからだ。ミスズもシェンザーも、ユーシアが戻ってくるのを待っていると思っている。


「おーい、アラムさん! 二人を連れてきたッスよ! 」

「やっときたか……! 待ってたぜユーシア! それから……二人に紹介するよ。俺たちの仲間、スイとキオンだ」


 ユーシアの背後から一人の少女が顔を出す。頭の上には白いフォックスがちょこんと乗っかっている。初めて見る謎のキュートな生命体にミスズとシェンザーは興味津々で顔を寄せる。


「きゃぁぁぁぁあ! この子、なんですかぁ? めっちゃ可愛いじゃないですかぁぁぁぁ! 」

「すごい、本物のフォックス……ちょっと撫でてもいい? あぁ、ふわっふわだ……! 一体何でアースの生物がこのリバイブに? 」


「ずるいですよぉ! 私も……私も撫で回したいですぅっ! 」


 二人の両手で顔も身体もめちゃくちゃに撫で回される。流石に彼女も嫌気が差したのか飛び降りるとくるりと一回転して人間の姿に化ける。二人は口を開けたまま固まってしまった。人の姿になったキオンは服をパンパンと払いながら二人の方を不思議そうに見つめる。


「全く、アンタらいつまでも触ってるんじゃないよ……なんだ、アタイを見て固まっちゃってるよ? この二人。スイ、アタイの顔になにかついてるのかい? 」

「ううん、違うと思うよ。キオンの変身を初めて見た人達、皆こんなかんじになってるもの」


 ずっと固まっていたユーシアは目の前に現れた二人の新しいアーサーに感動して、二人と肩を組んで叫びだした。


「すごい! アラムったら知らない間にもうアーサーの仲間がいっぱいじゃないか! しかもフォックスに変身って……どんな仕組みなの? 気になるよ、教えてっ!! 」


「ちょ……ちょっと何すんのさ! なんだいあんた!! 」

「この人がシェンザーさん? ……フゥのお友達って言うから、もっとおっとりした人なのかと思ってた」


 少々引き気味な二人の様子を見兼ねたミスズがシェンザーを二人から引き剥がして砂の地面へと投げ捨てる。顔から砂へと着地したシェンザーは痛みを堪えながら砂の上を顔を抑えて転がっている。ミスズは手を払って、仁王立ちで怒ったように言い放つ。


「女の子を困らせちゃう奴は成敗です。それよりもアラムさん、私達に2人を紹介するってことはぁ……何か今回の作戦に関係アリですよね、きっと? 」

「そうそう、この二人に手伝ってもらわないと最後の仕上げはできないんだよ。ふたりとも、力を貸してくれるか? 」


 キオンとスイは顔を見合わせると、微笑み頷き合ってアラムの方を見た。サバクの件で何もできなかった分、二人は張り切っているようだった。ユーシアも二人の後ろで嬉しそうに頷く。


「ありがとう……それじゃ、ついてきてくれ! あ、ユーシアはゴロゴロしてる科学者拾ってきてくれる? 」






 






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