ステータス?
「おい、着いたぞ。」
乱暴に言葉を吐き捨てられ、着いた先はいわゆる牢獄のようなところだった。
「取り敢えず、お前たちはこの中で過ごしてもらう。朝と夜に兵が食事を持ってくる。トイレはそこの備え付きのを使え。」
俺たちは、4人1組に別れて牢屋に入れられた。牢屋には便器と洗面台が取り付けられていた。俺と同じ組になったのは、孝と穂波、明だった。
「ねえ、気づいた?」
と明。
「ああ。」
と、孝が言う。
俺は何のことか分からず、
「どうしたんだ?」
と聞くと、
「浮いてる島がいっぱいあるここにきてからなんだけどぉ、自分の視界の左下になんか▲のマーク出てきて、その視界の部分に指を重ねてみると、ステータス一覧?みたいなのが出てきたんだよねーーー。」
それを、聞き、俺も左下の方を見てると何やらビー玉ぐらいの大きさの▲が見えたので、指を重ねてみた。すると、急に視界に半透明な板みたいのが現れて、そこに日本語で文字が書かれていた。
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佐藤歩 (20)
種族: ヒューマン
職業: 無職
LV: 1
HP: 5/5
MP: 5/5
力: 2
素早さ: 3
賢さ: 10
精神力: 5
器用: 3
スキル
計算 (中)
記憶 (中)
分析 (中)
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RPGみたいなステータスが載っているな。それにしても、普通の人がどのくらいが基準なのか分からないけど、あんまり数字が大きくないような…あと、スキルの計算って何だ?、と俺が指で計算のところに触れてみると、
計算 (中)
紙に書かなくても、頭の中で計算ができる。計算能力は大学レベル。
頭の中だけでできるのか。じゃあ、あそこの100gくらいの石ころを角度45度で投げた時の到達距離と速度はと、…頭の中でイメージすると、すらすらと計算式が浮かんでいき、石ころを投げた時の軌道と速度と到達距離が頭の中に浮かんできた。
なんか、一気に天才にでもなった気分だな…あと残り二つのスキルを見てみるか。
記憶 (中)
頭の中のメモリーに情報を記憶できる。記憶容量512GB
分析 (中)
肉眼で対象の構成物質と構造がわかる。
512GBって、パソコンかよ!なんか、人間離れしてる気がするな…と考えてると、
「歩、どうだった?」
と孝が声をかけてきた。
「無職でステータスが1桁だったな。あと、計算スキルというのがあった。」
「へぇー、歩くん計算スキルていうの持ってるんだーー。頭いいもんね!私もステータスは基本1桁だったけど、素早さは15 だったよ!」
「明は足が速かったからね。やっぱり、ステータスはその人能力に関わってかしら?」
「そうっぽいなぁ。俺は力20みたいだ。」
「「「さすが、土木建築!!」」」
穂波が、
「ねぇ、これからどうする?」
と聞いた。
「なんとか、ここから脱出するしかないな。そのためには、情報を集めるしかない。」
と、俺がいうと、
「そうだな。何とか他の組の人と会うことができればいいんだが」
と言った時、何やらゴリゴリという音が俺が持たれている壁から聞こえてきた。俺はびっくりして、さっと壁から遠のくと、壁に小さな穴が開き次第に人が1人通れるくらになった。
「よぉ、孝たちみんな、生きてるか?」
と声が聞こえ、そこから出てきたのは柏木亮太だった。