帰省と転移
初投稿になります。まだ慣れてないので、更新頻度はまちまちですが、よろしくお願いします。
「ふあーーーーーーー。」
朝か。確か、今日は、休日で、夜に小学校の頃の同級生と同窓会があるんだったな。取り敢えず、昼までは寝るか。
俺、佐藤歩が帰ってきている地元は上下村というところで、俺の時は、過疎化が進んでどんどん若者の人数が減っていて、小学校の学年は1クラスしかなく、俺の同級生は10人しかいなかった。その頃はよく、学年関係なく皆んなで集まって、放課後に野球をしたり、ゲームをしたりしていた。中学に上がると、市にある中学校に通うようになり、1クラス40人、5クラスと人数が増えたので、小学校の頃のメンツとは別々のクラスとなり、自然にあまり話さなくなった...俺は高校は隣の地方都市の進学高に通うことになり、その後、県外の難関大学に合格して、大学生活を送った。1年後、同窓会の誘いの手紙を受け取った。
日の光が強くなってきて昼頃になったと分かる頃、俺は目が覚めた。そのあと適当にスマホゲームやアニメを見て、時間を潰して、待ち合わせの公民館へと向かった。
「おー、久しぶり歩!元気にしてたか?」
「久しぶり、孝。元気にしてたよ。」
この身長180の筋骨隆々とした男は鈴木孝で、小学校の頃、よく一緒に他の人を誘って、放課後に野球をしたり、ゲームをしたりしていた友達だった。
「歩は今どうしてんの?」
「今、○□県の大学に通ってる。孝は?」
「俺は土木で働いている。優也や亮太も一緒だぜ!」
(だから、こんなにもマッチョになったのか。相変わらず仲いいな。)
それから人は集まり、男子4人、女子5人集まり皆で、わいわい話しながら時間が過ぎていった。
「あー、そうだ、皆んな、今度の連休時間空いてたりするか?実は、優也がなんか福引きあてたみたいでよぉ、4泊5日のヨーロッパ旅行券が当たったみたいで、10名まで一緒に行けるっつうんで、よかったら、今いない穂波を含めて10人で旅行へ行かないかって言ってくれてるんだけど、どうよ?」
(10名も行けるのか。)
孝からの誘われたが、皆んなも時間が取れるらしく、全員でヨーロッパ旅行に行くことになった。
そして、連休の初日。
「おー、皆んな来てるか。飛行機は5番の方で乗るみたいだ。」
結局、旅行に行くことになったのは、男子4人と同窓会に来ていた1人を除いた女子5人の計9人で行くことになった。
俺の悪友で今もリーダーとなっている鈴木孝、頭は悪く、中学ではよく不良の連中とパシリをやってた坂本優也、地方都市から引っ越して、4年の頃転校してきた柏木亮太、女子のカースト上位のリーダーだった田原優奈、優奈とつるんでた2人前島明、柏木(林)千里、あんまり人とつるまないがカーストは上位だった今井穂波、カースト下位で大人しめの佐々木友梨、この9人となった。
乗せた飛行機がロシアの上空からヨーロッパへと飛行しようとしている時だった。
「ちょっと、あれ何?」
ふと周りが騒がしかったので、飛行機のダストカバーガラスを開け、外を確認してみた。すると、視界の下には浮遊した島のようなものがたくさん浮かんでおり、中世の街並みと豪のようなものがたくさんあった。そして浮島の下には、石造りの街並みがあった。
「一体、何が起きてるんだ…」
ドーーン。大きな音がしたので見てみると飛行機の片翼が破壊され煙を挙げていた。それと同時に、飛行機は高度を保っていることが出来なくなり、急に無重力の感覚に襲われた。
(やばい、落ちる。)
そのまま飛行機は落下していき、一番大きな、浮島の一つに強い衝撃とともに着陸した。
「っ、大丈夫か?」
座席で隣に座ってた、今井穂波に尋ねた。
「うん、平気。なんとか無事着はしたみたいね。」
「ああ、取り敢えず出た方が良さそうだな。」
乗務客員の人が、スライダーで降りるように誘導しているようであった。
「ねえ、ここ、ヨーロッパのはずよね?なんで土地が浮いてるのかしら?それに、なんだか、騒がしい…」
俺たちは、豪やらがあったところから離れた森の方にいた。しかしながら、外は銃器の音で騒がしかった。着陸した人たちは皆、不安そうにしていた。
「ねえ、あれって?」
穂波の指を刺す方を見てみると、銃を持った軍隊が列をなしてこちらに行進していた。
「よし、止まれ!」
隊長らしき人が、声をかけると、隊員が整列した。
「おい、貴様ら、いきなり、我々の国の領空で飛行してきて、一体何者だ?」
「あの、ここは一体?私たちは、日本の成田空港から、パリ=シャルル・ド・ゴール空港へ向かう便なのですが…」
と機長の人が言った。
「日本?知らんな。ここは、フランツェス帝国のフリーデンだ。お前たちはソイツのものではないのか?まあ、いい取り敢えずお前たちを連行する。ついて来い。」
すると、飛行機に乗っていた人たちが何やら騒がしくなって、その場から立ち去ろうとする人々がいた。
パラパラパラパラ。突然聞こえた銃声に驚き、見てみると、立ち去ろうと人々が肉塊となっていた。
「悪いがお前たちに拒否権はない。勝手な真似をしようとすれば、容赦なく殺す。」
すすり泣く、声とともに、あたりは静かになった。
「それでいい。」
俺たちは、手錠で繋げられ、大型の車の中に収容されて、車の揺れと不安で揺れる自分の身体を感じながら、運ばれていった。