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線香花火が落ちる前に  作者: 千田浬人
3/8

第三話 どこかで聞いたような名前

 ようやくわかった青年の名、猫目勇鬼(ゆうき)に聞き覚えがあったのは、やはり間違いではなかったのだ。


 しかしそれだと、聞いていた話と違う。


 私が聞いていたのは、「お客様は7時30分にいらっしゃる」という話だったのに。


 …あれ。もしかして。7時って午前7時のことだったのか。だとしたら…!


「午前7時30分にはもういらしてたんですか?!」


 現在時刻は午前8時40分。1時間以上お客様を待たせてしまったことになる。


「申し訳ございません…!」


 深々と頭を下げる。なんてことをしてしまったんだろう…!初日からとんでもないことをやらかしてしまった。


 遅刻ももちろんだか、お客様を強盗と間違えて疑うなんて。素人とはいえ、接客をしようとしている身として、あるまじき行動。


 頭を下げる私を困ったような顔で見ているのが手に取るようにわかるくらいうろたえた猫目さんは、

「そんな、顔を上げてください!」

と慌てて言う。


「謝るのはこれっきりにしましょう。本当に気にしていないですし、恵美子さんにも『私の言い方が悪かったのよ』って何度も謝ってもらってしまっているので」

と言う猫目さんの言葉に従って、謝るのはこれっきりにすることに。


 ちなみに、恵美子さんというのは私の祖母のことだ。




「それで、あの、今更なんですけど。」

と言いづらそうにしている猫目さんを促すと、


「えっと…浅井(あさい)明香(さやか)さんで、合っているんですよね?」

と遠慮がちに問われた。


 たしかに色々ありすぎて自己紹介をしていなかった。相手が一方的に自分の事を知っていたらそりゃあびっくりするだろう。改めて、自己紹介をする。


「はい。浅井明香と申します。家主の上村(うえむら)恵美子(えみこ)は高齢のため、手伝いに来ました。どうぞよろしくお願いいたします。」


 お互いに相手が何者かわかってスッキリしたところで、はっと気がつく。


「確か猫目様はご友人と3人での宿泊だったと記憶しているのですが。他のお2人はどこへ…?」


「あ、えっと、近所のコンビニに行っています。土地勘がないので、恵美子さんに道案内してもらって。」


「あ、なるほど。だからおばあちゃんも猫目様以外の方も姿が見えないんですね。」


「そろそろ戻ってくる頃だとは思うんですけど…。」




 小説だったらこんな感じのいいタイミングで戻ってくるのだろうに…!


 気まずい沈黙が5分ほど流れる。


 するとそこで、玄関の戸が開く音と「今戻りましたよー」というおばあちゃんの声が聞こえた。

 最後まで読んで下さりありがとうございました。これからも投稿して行く予定ですので、今後ともよろしくお願いいたします。

 よろしければ、感想などお寄せください。


 それでは、また次の話でお会いしましょう。

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