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奈落の底  作者: GEN
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1章 5話 惰性

玲美は1人で笑っている美千代が不思議でしょうがなかった、階段から飛び降りて3階にいた時点でも母の断末魔が聞こえてきた。


「離せよ!!」

「いだいよぉーーーーーー!!!!」


私はあの声を枯らしながら命を守ろうとしている叫びを決して死んでも忘れないだろう、母の悲痛の叫び、あの綺麗に整っている美千代の歪んだ顔。玲美は忘れられる事ができない呪いにかかってしまった

そんな事を思っている玲美を置いて何故こうも何事も無かったようにお酒を飲めているのか、楽しそうに玲美にニコニコと微笑みかけているのかが不思議でしょうがなかった。

そんな玲美を見かねた美千代が楽しそうに口を開いた。

「なぁにあんたそんなしらけた顔してママの顔みんだよ?酒飲めー!飲め飲めー!」

「お母さんあの親父と何があったの?」

「んん?あいつ?知らねえよ」

美千代ははっと笑い、心の中の苛立ちを少し吐き出すように言葉に乗せる

「あいつ私がラグラノクに付き合わない事に腹を立ててそれでキレたんだよ」

「え?それだけ?」

「あぁほんとにそれだけ、やばくなぁい?」

父謙治は玲美が生まれてた時点から働いてなかった、たまに勝幸の仕事に付き合えば、1日2日で行かなくなっていた。そんな謙治は毎日オンラインゲームのラグナロクをしていた。朝から次の朝まで24時間毎日だ。玲美が小学生の頃学校から帰宅し挨拶しても座椅子に座りラグナロクをやっているか、座椅子を倒して寝ていて、玲美その印象しかない。

そしてつい最近母が使ってる携帯会社からノートパソコンをなにかの記念で貰ってきたようで、それでいてクエストを無理やり母に付き合わせていたようだ。

「んでさ、あたし仕事で疲れてるからやりたくないって断ったのよ。そしたらあいつブチ切れて馬乗りになってきてさ。けどね1つ面白いのがさあいつ馬乗りになってきた時金玉の感触がふにゃっとあったんだよね」

美千代はふにーと笑いながら玲美に微笑みかける。

玲美はそんなおでこに青あざがあり腫れてるおでこ、鼻が少し曲がって無邪気な少女みたいに玲美に笑いかける美千代を見て心に少し悲しさが募る。

「ねぇなんでお母さん、あんなのといるの?別れなよ」

「なんでなんだろうねぇー?惰性かな?あんなパパでも優しい所もあるしな。それにママがどっか行ったりしたらパパ首でも吊ると思うよ」

確かに玲美も謙治の優しい所を知っている、小さい頃玲美が美千代に叱られている時ももういいじゃねえかと庇ってくれて、お菓子を来れて膝に玲美乗せてジュースを飲ませてくれた。

昔謙治と美千代と玲美と夕食を済まし、そのまま謙治はベットに入ると玲美を招きいれた。玲美は嫌がる素振りを見せるも笑顔で入る。その時の布団の温かさや父の温もりを感じる

「玲美はパパとママがどっちが好き?」

「ママ」

玲美はイタズラ笑顔でそう答えると父はくすぐってきたりしてきた。2人はじゃれる時はいつも目を瞑っているそして幸せそうな笑顔だ。

たまにほっぺを舐めてきたりして嫌がってベットから抜け出そうもするが謙治が抱きついてきて逃がそうとせず、美千代がホコリが立つからやめろと一蹴する。

そんな思い出がふつふつと脳裏から蘇ってきた。

玲美は何も答えられなかった。心の何かの混じりあって色んな負やら謙治の笑顔、美千代の気持ちが混じり合う。そして母が答えた惰性って言葉もまだイマイチ理解出来ずにいる。

そんな事を放って美千代は1人楽しそうにビールを飲み玲美に笑いかける。

「あんたは子供だからママたちの事はいいのー。それより食べな飲みなー?せっかくウインナーあんのにお前好きだろ?ほらあーん」

玲美は口を開くと同時に心の中にある何かも開く。それは悲しさのなのか母を哀れむ気持ちなのか、こんな時でも娘を想ってくれる優しさなのか分からず、目に分からない感情の水を溜める。

「なぁに泣いてんだよ。もう玲美はバカだなぁ」

玲美は自分の感情がどうなっているか分からずひたすら涙を流し、美千代が玲美の隣に移動し頭を胸に抱き寄せる。柔軟剤の優しい匂いと母の酒臭い息が玲美の鼻腔の奥に抜ける。玲美の背中を優しく叩きながら馬鹿だなぁと笑いかけ、メニューを開く。

「玲美、プリンあるぞ?プリン食うか?」

言葉にならない声で首を横に振る。こんな時にでも優しく玲美に気遣う母の愛に玲美の心に深く刺さり心の中に水が溜まっていた水が涙へと姿に変わり溢れ出る。

「なんだよ、ママが玲美の事いじめてるみたいじゃねえかよほらビール飲みな」

玲美は美千代が口元に炭酸が抜けビールの泡が消えていったグラスを玲美の口元に持っていき玲美はグラスの中の黄金色のビールを舐めるように口に含む。

「苦い」

「そりゃそうだこれが大人の味。これが分からねえならお前はまだまだ子供だ。」

美千代は周りをキョロキョロしながらバツの悪そうな顔をして玲美に話しかける

「お前がビービー泣くから周りの客が見てくるじゃねえかよ。次行くぞ、ママカラオケしたーい。玲美も歌え、な?しんちゃんの歌歌ってよ」

母親に似て少し目がつり上がっている目を充血させながら驚いた表情を浮かべる

「え、帰ろうよ?」

「あたしは帰りたくないの、帰りたきゃお前一人で帰れよ。すいませーんお会計で」

「んんん」

美千代は玲美を抱きしめ背中を優しく叩きながら器用にテーブルの上にあるセブンスターに火をつけた。玲美はふと私が小さい時からこうやってあやしながら、タバコを吸っていたのを思い出しセブンスターのほのかに香る甘くてタバコの匂いと母の洋服の柔軟剤の匂いを嗅ぎながら母の胸に赤子のようにしがみついていた。

お久しぶりです。不意に少し書きたくなってまた少しづつ描きたくなりました。

前にもお話しましたが僕の人生を女の子の玲美ちゃんに歩んでもらっています。少し脚色したり当時起きた事件とは年齢がズレてたりしますが全部実体験を玲美ちゃんに歩んでもらいます。

ちなみに余談なのですが父がある日祖父と仕事行かなかった日母が「仕事行かねえなら行くとか言うなよな」って言ったらボコボコにされたようです。鬼畜です

もうだいぶ語彙力も落ちて当時の感情や状況を書けるか不安ですが最後まで書き上げたいと思います。

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