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「どうするか決めたかい?」
ジョンが言った。
私は頷いた。
「いっしょにワタシの星に来る?」
「ああ。そうするよ。どうなるかは分からないが、新天地で新しい人生を始めようと思う」
「良かった。ホッとしたよ」
ジョンが微笑んだ。
「君は我々の仲間だ。歓迎するよ、マイク」
ジョンは右手で私の左手を握った。
「さあ、まずは我々の宇宙船に案内しよう」
ジョンが言い終わると同時に、周りの景色が瞬時に消え、私たちは柔らかいオレンジ色の光に照らされた小部屋のような場所に立っていた。
「その窓から地球が見える」
ジョンが壁にある丸型の窓を指した。
私は、そこから外を覗いた。
眼下に地球が見えた。
それぞれの大陸の形が、はっきりと認識できる。
宇宙船は成層圏の辺りに浮いているのだろうか。
美しい。
青い惑星、地球。
母なる地球。
その凛とした佇まいに私は神々しささえ感じた。
「我々の宇宙船は人類の衛星では見つけられない」