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そんなわけがない。
少しの間があった。
「マイク、これは冗談ではないんだ。とても大事な話なんだよ」
ジョンの声は、やはり真剣だった。
私は困惑した。
「我々の星は…君たちの星の言葉では発音できない名前だ。地球からは、とても離れている。我々が乗ってきた宇宙船なら…そうだな、地球の1ヶ月ほどの時間で行き来できる。我々のテクノロジーは地球より進んでいて、君たちが不可能と思っている事柄に関しても、いくつかクリアしている」
ジョンはスラスラと説明した。
しかし私は、まだ戸惑っていた。
まさか…もしや、ジョンは妄想に取りつかれた危険な人物なのではないか?
そしてついに、その正体を現したのでは?
そんな不安が私の頭を駆け巡った。
「その証拠に君の目を治してみせよう」
何だって?
ジョンは今、何と言ったのか?
私が訊き返そうとした瞬間。
突然、私の両眼に視界が戻った。
それはあまりに唐突な、拍子抜けするような回復ぶりだった。