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近頃の私は彼の訪問を心待ちにさえしていたのだ。
「やあ、ジョン」
私は振り返った。
「また、夕陽を見ているのかい?」
ジョンが訊いた。
「ああ」
私は頷いた。
父との思い出については、すでにジョンに話していた。
「中で、お茶でもしよう」
私は家に入ろうと歩き始めた。
今までも何回かジョンを家に招き語り合っていたから、何の抵抗もなかった。
「待ってくれ、マイク」
ジョンの言葉に私は足を止めた。
「どうした、ジョン? 都合が悪いのか?」
「実は今日は…」
ジョンは、ためらっているようだった。
「君に真実を告げに来たんだ」
ジョンが言った。
とても真剣な口調だった。
真実…どういうことだろう?
私が黙っているとジョンが続けた。
「私は、この星の人間ではない」
「何の冗談だい、ジョン?」
私は笑った。
彼が、そういう冗談を言ったことは今までなかったが、これはさすがに「はい、そうですか」とはならなかった。