表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

スカートひらり

作者: 羽入 満月

 ポニーテールを私の尻尾のように揺らしながら、スカートひらりと翻し、走る私を追いかけるのは片想い中の君。


 だったら、よかったんだけど。

 後ろから追いかけてくるのは、生徒指導部の前島せんせー。


「こらー、まてー、七瀬!!スカートが短いし、髪を染めるなと言っただろう。なんだその色は!半分赤とかおかしーだろ!」


 やべぇ。疲れてきた。

 それでも私はひた走る。

 だって、捕まったら説教でしょ?


「待てと言われて待つやつがどこにいるー。ばーか!」


 ひたすら走る私の視界の端に友達と話ながら歩く君の姿がみえる。

 走っているからドキドキするのか、君をみてドキドキするのか。それとも追いかけられている状況にスリルを感じているのか。

 ドキドキの意味を考えながら、私は廊下の角を曲がる。

 そんなことを知らない君は、なにやってるんだって顔をして、楽しそうに笑ってる。


 君が笑ってくれるなら、馬鹿なことでもやれるんだ。

 君の笑顔が見れるなら、私は幸せな気持ちになれるから。


 せんせーから逃げ切った私は、校舎の裏で息を整える。

 私はせんせーには捕まらない。

 私を捕まえるのは君だから。


 だから、私はいつだってスカートひらりと翻し、ポニーテールを揺らしながら、指の隙間をすり抜けていこう。


 私は誰にも捕まらない。

 だから、君が捕まえにきて。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ