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2人目

「では皆さん席についてください」

先生が入ってきた

「皆さん今日も皆元気そうですね、では今日はまず数学から始めますよ」

「ではこの問題を霧さん答えてください」

「はい、xには3が入ります」

「はい正解です」


先生は教科書にみてどんどん話を進めている

「霧君先生には全員見えてるの?」

「それは分からない、先生は他の見えていない生徒を当てないからね」

「それってでも見えていないんじゃない?」


「いや、そもそも透明の皆は誰一人手を上げないんだ、先生が分かる人って答えても無反応だから当てたことがない、だから見えているか見えていないかそれは分からない」

「だからってなんで霧君だけに当てるの?」

「さあそれも分からない」

「2人とも小さい声でもみんなの迷惑になるよ」

みどりちゃんが言った


「みどりちゃんごめんごめん、静かにするよ」


休み時間になった

「みどりちゃんちょっと一緒に外で話せる?

「いいよ」

「桜ちゃんどうしたの?」

「なんで皆手を上げないのかな?」


「恥ずかしいからじゃないのかな」

「それでも先生はたまに言ってるよ、もっと積極的に手を挙げてくださいって」

「うーんそれでも嫌なのかな?でも気持ちは分かるかな、私も恥ずかしいって思うから」

「私、もっと皆に手をあげさせたい」

「どうするの?」

「みどりちゃんお願い、今日の放課後一緒に付き合って」

「うん」


放課後、透明ながらも実体はあるのでかばんの中に皆教科書など入れてどんどん帰っていく

「霧君、今日放課後少し時間ある?」

「5分だけなら」

「十分だよ」

そして最後の透明の生徒がクラスから出ていこうとしたとき、桜ちゃんが扉の前に立った

空中にかばんだけが浮いている

「ちょっと、今日はあなたと話したいんだ少しだけ時間いい?」

「嫌そうにしてるよ」


霧君が言った

「お願いどうしても少しだけでいいの」

するとかばんが出口に向かって前進してきた、そこをどうにかして桜が止めている

どうやら出れないと本人も分かったようだ

「よかった、ごめんね無理に話を聞いてもらって」

「いやそういうつもりはないみたいだよ」


霧君がいった

すると宙に浮いていたかばんが落ちた

「もしかしてかばんは教室に置いていくつもりだね、透明になってもこの扉に私がいる限り出れないと思うけど」

「ちょっと強引すぎない桜ちゃん?」

みどりちゃんが言った

「だってこのままだと何も進展しないよ、少しでも話さないと」

教室が静かになった

桜の横からタックルが飛んできて桜の態勢が崩れた

扉の開く音が聞こえる


桜はそこに向かって手を伸ばした

何かをつかんだ、服のすそである

それをひっぱってどうにか止めている

次は引っ張りの方向が急に逆になった

「この人すごい動きが速い」


桜の体が回転し倒れそうになった、しかし桜はそこで体をうまく回転させて粘った

相手はどうやら諦めたらしい、静かになった

「相手も疲れてるよ、どうやら話聞くみたいだよ」

霧君が言った


「この子の名前なんていうの霧君」

「望さん」

ちょっとだけみどりの顔が変わったがすぐに元に戻った


「望さんちょっと話聞いてもらいたいんだいい?」

「いいってさ」

2人向かい合って座って話す事にした


「望さんもう自己紹介はしたと思うけど私桜っていうのよろしくね」

「・・・」

「ちょっとした雑談なんだけどね、皆授業中手を上げないけど私それが不思議なんだ、なんでだと思う?」


「上げたくないからでしょだって」

「うーん、確かに単純にそういう理由だとは思うよ、でも本当はもっと理由があるんじゃないかな?」

「なんで私に構うのかって聞いてるよ、このまま透明のまま何もなく卒業してそれでいいじゃないだって」


「確かに透明のままだったら、何もおきないと思うよ、でもそれって楽しいのかな?」

「楽しくない可能性の方が高いからこれでいいだって」

「なんでそんなこと分かるのかな」

「経験則だよだって」


「でもその経験がすべてに適応されるのかな」

「私はそれを信じてるだって」

「でも人の意見を聞いてそれが当たっている事だってあるよね」

「もう私に構わないで!」

声が聞こえた


「きっと、感情が表になったから声だけ聞こえるようになったんだ」

霧君がいった

「やっと声が聞こえた、私うれしいよ」

「私はうれしくない」


みどりが更に顔の表情を変えた、今度はあんまり表情が戻っていない

「望ちゃん、次の授業どっちが先に問題を解けるか競争しない?」

「はぁ?私はね、授業とか勉強とか大っ嫌いなの!」

「望ちゃん、勉強に対して何かあったの?」


「はぁ?なんでそう思うわけ」

「声に力がある、きっと勉強に何か思い入れがあると思って」

「ああめんどくさい、あるよあるよあってなにか悪いの?」


「それ私聞きたいな」

「あ?なんであんたなんかに言わないといけないんだよ」

「私みんなと仲良くなりたい、それを知ったらきっと望ちゃんとも仲良くできると思うんだ」

「はは、おもしろいじゃあ言ってみよっかなー、まあ仲良くは出来ないと思うよ、だって私がしたくないんだもん」


「それでも言ってよ」

「いいよ、じゃあ言うわ、私そこにいる緑と同じ学校にいたんだよね」

「やっぱり」

みどりは独り言が聞こえたそして急によそよそしくなったように見えた


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