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桜の目標

私の名前は桜これから中学校に入学する、きっと楽しい毎日が送れるんだろうな。


「よし教室にはいるぞ、皆さんこんにちは桜ですよろしくお願いします」


するとそこには机が40席並んでいて人は一人しかいなかった。


「あの新入生はあなただけですか?」


「ううん、違うよ皆もう座ってるよ君皆に見られてるよ」


桜は迷った、だって誰もいないのだから。


「あの誰もいないですよ」


「みんなひどいっていってるよ、いるのに無視されてるって」


桜は辺りを見回したがやっぱり人はいない


「ああ、なるほど君には見えないんだね、皆さくらさん見えないみたいだよ」

「うん、皆納得したみたいだよ」


「あのよく意味がわからないんですが」


「実はねここにいる生徒実際には存在するんだけど、姿を現したくないから透明になってるんだ」

「そうだね、じゃあ僕の席の隣を触ってみて」


桜は言われた通り触ってみた


「あれなんか腕みたいな感触がある、あと髪の毛みたいな感触」


「みどりちゃん恥ずかしがってるよ、頭撫でられて」


「ああ、ごめんなさいでも本当に実際にいるんだね」


「もちろん、だからこれから先生が来て普通に授業が始まるよ」


「でもみんな何でそんな透明になる必要があるの?」


「それはね、みんなクラスで上下ができるのが嫌なんだよ」


「?」



「例えば君ここに見える状態で39人全員がいて1週間たっても一人ぼっちで周りは盛り上がってると

しよう、君はどんな気持ちになる?」


「うーん、すごく嫌だし、でも話しかけられない感じがして動けないと思う」


「うん、そうだねでもそれからもっと状況は変わるよ、どうなると思う?」


「もしかして、キャラクターが出来るっていう事?」


「そうだね、きっとそうなる、じゃあ君はどんなキャラクターになると思う?」


「あまり話さない、静かな女の子で、あまり目立たなくてあまり話すの好きじゃないのかなって思われるかも」


「その可能性はあるかもしれないね、そうなったら君嫌?」


「そんなの嫌だ」


「ここにいる人たちもそんなの嫌なんだよ、だからみんな透明になったんだ」


「もし君が誰にも話しかけられなくても周りにほとんど人がいなかったら孤独感を感じないでしょ?」


「うん」


「このクラスはね僕たち2人以外皆そういう気持ちで透明になった人たちなんだ、透明になった人たちは他の透明になった人たちを見る事ができない、見る事ができるのは僕と君だけ、だから他の人間は皆この広い教室に3人だけしかいないように見えてるんだ」

「それはねとても居心地がいい空間何だってみんな言ってる、感覚でいうと入学したてでまだ誰も人間関係ができていなくて誰と仲良くできるかなっていうわくわくした緊張感があるんだって」


「そして、誰も傷つかないそして誰もが自分のペースで居られるんだって、それは周りに合わせる必要がないから、周りが盛り上がっているからといって自分も盛り上げる必要もない、周りがどんどん友達ができるからって焦る必要はない」


「でも、そんなのつまらないよ、私みんなと友達になりたいよ」


「桜さんはきっと純粋にそう思っているんだね、でも桜さん誰かとなかよくなったら他の人が焦ると思うよ」


「そしたらその人とも仲良くなるよ」


「じゃあ最終的にみんなと仲良くするってこと?」


「うん、私はそのつもりだよ」


「そっか、でもそういう思いで頑張ってきて駄目だったのがそこにいるみどりちゃんなんだよ」

「みどりちゃんはね、桜さんと同じでみんなと仲良くしようとしてたんだでもね、いつの間にか

ひとりぼっちになってたんだ」


「どうして?みんなと仲良くしようとする気持ちがあればできるはずだよ」


「みどりちゃんの前いた学校はね、クラスに一人とても魅力のある生徒がいたんだ、その子は勉強もできて美人でいてそして運動もできた、皆その魅力に磁石の様にひきつけられていたんだ、みどりちゃんはみんなと仲良くしようとひとりひとりをつなげようとしたんだ」

「でもね、できなかった」


「なんで、行動しているんならできるはずだよ」


「その子は皆と仲良くするより自分と話していて楽しい人たちだけでグループを作るようになったんだ」

「みどりちゃんは皆一人一人仲良くさせたいでもその子は仲いい人間だけで話していたいさあこのクラスはどうなったと思う?」


「ほどよくみんなと仲良くなってそれでいてグループでもほどよく仲良かったとか?」


「いや、違う、そのグループがそのクラスの指揮をとるようになったんだよ、もちろんそんなこと公言はしてないよでも、そのグループがやることは皆誰も文句を言わないし、そのグループが授業中少し騒いでいても誰も文句言わない、それでいてそのほかの人は騒ぐことはしない」

「これはどういう事かわかる?自然とパワーバランスができてしまったんだよ」


「なんで、みどりちゃん頑張ってたのに」


「不思議な事に人には魅力の力がある、その力に磁石の様に惹きつけられる、だからみどりちゃんがその子より魅力がなければみどりちゃんの思ったようなクラスには出来ないんだよ」


「じゃあ、魅力がある人がみんなと仲良くなるようにと思わないと実現しないというの?」


「そうとはいいきれない、ただ可能性は変わってくるだろうね」


「そんなのっておかしいよ」


「桜ちゃんは魅力がきっとあったんだろうだからみんなと仲良くしたクラスを作ってきたんだと思う、でも桜ちゃん今は透明になっていて見えないけどもし君より魅力のある人間がこのクラスにいたらどうする?」


「それでも私はみんなと仲良くできるようなクラスを作る!」


「魅力の力がなくても?」


「努力でそこは補う!」


「あ!」

そこには泣いているみどりちゃんの姿があった


「私また頑張りたい、桜さんと一緒に私が作りたかったクラスを作りたい」


「みどりちゃん、私も作りたい今は皆まだ見えないけど頑張って皆クラスに来たいと思わせて見せる!」

「一緒に頑張ろう!」

「うん」


「これであと37人になったね、桜さんは全員クラスメイトを見えるようにできるかな」


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