1/1
プロローグ
暖炉の火がパチッ、パチッ、と音を立てて燃える。
部屋の奥から暖炉へと向かう者がいた。
手を腰の後ろで組む老婆だ。
腰は少し曲がってはいるが、足腰はしっかりとしている。
その老婆は暖炉へと歩み寄り、暖炉の傍らに置いてある椅子に深く座る。
「灼熱の災厄が訪れるとき、この世は一度滅びる。」
暖炉の中でユラユラと燃ゆる火を見つめながら老婆はつぶやいた。
暖炉の火力が弱まったのか、老婆は薪を二本手に取り暖炉へと放り込む。
薪がパキッ、パキッ、と音を立てながら燃え始めた。