第2戦
5/2 とある理由で流血表現をカット致しました。ご了承の程よろしくお願い致しますm(__)m
オレは大地を踏みしめ神威を発動させた!!
見えないベールがオレと舞子の周囲に広がり、全てを消し去る虚無のドームが瞬時に完成する。
あーあ。
毎回思うけど、あっけなさすぎるぜ。
なんせ、これでもう勝ち確なんだからよ?
あまりの物足りなさにため息が漏れる。
そんな態度にイラついたのか、終末獣のヤロウは全身にみなぎらせていた光を口元に一点集約させ、
そして
終末の一撃を放ってきやがった。
瞬時に視界が光に包まれる。
それ以外は何も見えねぇ。
激しい光の奔流に目が眩まないよう、グラサンの位置を調整することくらいしかやることがねぇ。
攻守壁の向こう側、光の中でどれだけの生命が気化して空気と混ざり合っているのかは……考えねぇ方がいいだろうな。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
まるで地殻変動でも起きてんじゃねぇか、ってくらい不吉な地鳴りを聞きながら、オレは光が止むのを待つ。
やがて視界が晴れるとそこには
そこには何も無かった。
荒涼としたまっさらな大地がどこまでもどこまでも広がっているだけだった。
おいおい、大室山まで影も形もなくなってんじゃねぇか。貴重な観光資源をよぉ?
……どうやらここら一帯のミンナ、光の向こう側に連れてかれちまったみてぇだな。
ご愁傷さまだ。
まあ、でもそんなにクヨクヨするこたぁねぇぜ。
すぐにコイツもそっちに連れてってやるからよっ(笑)
「グギョォォォォォォォッ!!!」
目の前でとつぜん終末獣が苦悶の叫び声を上げた。
まあそりゃ当然だろ。
どんなバケモンでも腕まるまる一本無くなっちまえばイテェに決まってらぁ。
オレは攻守壁の範囲を広げてヤツの腕を根こそぎ消し去ってやっていた。
見えない虚無の壁にヤツは全く反応できていない。
おいおい、そのデカいおめめは飾りかぁ?
不気味なことにコイツ等は血を流さねぇ。
ホントだったら切断面から血がシャワーのごとく降り注いできてもおかしくねぇモンだがな。
……まぁ、クソバケモノヤローのこった、きっと血も涙も通ってねぇんだろうよ。
「どうだぁ~?オレの神威は味は?感想聞かせてくれよぉ~」
「グギョゴォッォォォ!!」
トチ狂った終末獣は、残ったもう一本の腕で殴りかかってきやがった。
おつかれ。
バシュゥ
力が強すぎるってのも考えモンだな。
勢いが止まらなかった終末獣は、残ったもう一本の腕もそのまま攻守壁に飲み込まれちまった。
「グッグョグググッググ!!」
ハハハハ、自滅し・て・や・が・るっ!! ダセェェェェ!!
「ねぇK・S、もういいんじゃない? そろそろトドメをさしたら?」
「ああん? 何言ってやがる。まだ10分も経ってねぇぞ? もうちょっと遊ばせてくれよ」
「遊ぶって……あんまり命を弄ばない方がいいわよ」
舞子のありがたい忠告を……もちろんオレは聞くつもりなんてねぇ!!
「ほら、頑張れよクソケダモノヤロー。そぅらサービスタイムだっ!!」
オレはその場に座り込んで、手を叩いてヤツを挑発する。
「ちょ、な、何考えてるのよっ!!?」
舞子が急にキョドりだす。当然だ。
攻守壁の発動条件は大地を踏みしめること。
だからオレが足を離せば、まぁこうなるわな。
周囲に展開していた絶対無敵の虚無の壁が、瞬時に消え去る。
「バッ、バカ何やって」
ビビってるビビってる。
お前、いつもスカした顔してるから見ものだぜ。ケッケッケッ!!
終末獣は知能の欠片もねぇケダモノだが、さすがに今の状況は理解したようだ。
両腕を失いながらも全力のタックルをかましてきやがった。
……さすがにスゲェ迫力だ。
ヤツが大地を蹴る度に、マッチョにケツが掘られてるんじゃねえかってくらいの激しい振動が尻に伝わってくる。
こ、こいつは……
そして終末獣はいったん腰を落とすと、勢いそのまま一気に跳躍した。
まだ地面がぐらついてて、
……大地を踏みしめるのは、どうも間に合いそうになかった。
やがて終末獣の影が地上を覆いつくし、
そして
ズダァァァァァァァァァァァァァァァン!!!
全長三十メートルを超す巨獣が倒れ込んだ勢いで、世界が揺れ、周囲一帯が砂埃によって埋め尽くされる。
この捨て身のダイブ攻撃によりオレは…………
ぷっ
ぷはっはっはっはっは
「はっはっはっ、は、は、はっずれぇ~!!」
笑いをこらえることができなかった!!!
オレは長年バトってきた経験から、コイツらの生態はほぼ把握している。
終末獣は人間と依代が近くにあったら優先して依代をつぶしにかかる。
オレが今いる場所から離れた位置にダイビングヘッドかました終末獣の腹の下にあるのは
戦闘前に舞子が設置した一体目の依代だ。
本当に憐れで滑稽だぜ。
そんな虫並みの知能でよく異世界から侵略なんてかましに来れるな、オイ?
「グ、グギョォォオ……」
まだ事態が飲み込めてない終末獣に向かって、オレは最後通告してやる。
「お帰りはあの世だ」
ゆっくりと力強く、アリを踏みにじるようにオレは大地を踏みしめた。




