表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人類滅亡が確定した世界をチート能力で救うことが出来るか?  作者: 平 来栖
序 章  人類滅亡が確定した日 〜予言者 死村 慈恩〜
1/81

第1節

―――人類はそう遠くない未来に絶滅します―――



 そんな事を言われてああ、そうなんですか、と信じるヤツはまずいないだろう。

 何をバカな事を言ってるんだ、と聞き捨てるのが普通の感覚だ。





 だが、この世界に住む誰もが、その言葉を疑いもせず信じた。




 なぜならそれは、預言者死村慈恩(しむらじおん)が発した言葉だったから。



 彼女はある日突然、ネットの世界に現れた。



 中二病全開のハンドルネームで、動画サイトに自分の予言をアップする痛いヤツ。最初に彼女を見た誰もがそう思ったことだろう。


 だが、しばらくしてその認識が誤っていることに気付く者が現れる。

 そして噂は喧伝され、詳細な検証がネットに住まう有志たちによってなされていく。


 その結果、ある結論が導き出された。






 あれ、この人………ヤバいんじゃない?

 もしかすると、本物なんじゃないか、と。






 彼女の予言は、とにかくよく当たったのだ。

 どれくらい当たったかと言うと、パーセンテージで言えば、



 ――――100%当たった。




 それは比喩でも誇張でもない。

 本当に100%当たったのだ。



 絶対に予測不可能なはずの事件、事故、天災も彼女によって事前に暴かれていく。

 それはどんな奇跡もかすむほどの衝撃を、視る者に与えた。


 その素顔はベールに隠されて分からなかったが、声は高いソプラノであったため、かろうじて女性ということだけは分かった。それ以外は一切が謎に包まれている女性。


 そんなミステリアスな雰囲気と、絶対にあたる予言に誰もが魅せられ、いつしか死村慈恩の言葉はあらゆる言語に翻訳されて、世界中に発信されるようになっていった。



 今日はどんな予言をしてくれるのだろう?

 誰もがモニタの前で神託を待ち望む。



 そんなある日の事、いつものように死村の新しい予言が発信された。



「……今日の予言は、少し特別な内容になります」


 そんな前置きは今までなかったことだった。人々が何事かと見守る中、死村はカメラに向かってよどみなくこう告げた。


「人類はそう遠くない未来に絶滅します。


 まず避けようのない、環境の変化が訪れます。


 それによって安住の地が減少し、土地を求めて人間同士の争いが始まります。


 その争いにより、人類の半数以上の方が亡くなるでしょう。


 ですが、あなた方に降りかかる災禍は、それで終わりではありません。


 その争いが終結したのちに、別次元の世界から災厄をもたらす獣、終末獣がやってきます。


 その獣がもたらす破壊によって、残された秩序も崩壊し、全ての人が死に絶えることとなるでしょう。残念ながら今のあなた方では、絶対に敵わない相手です。


 ですから今日お伝えしたいのは、せめて人間同士では争わず、


 心穏やかに最期までの時を過ごして欲しいという、お願いなんです。


 どうか滅びを―――粛々と受け入れてください」



 それはほんの1分にも満たない動画だった。

 だが、全人類を絶望のどん底に叩き落とすには充分すぎる長さだった。



 なぜなら。




 ―――死村慈恩の予言は100%的中する―――


 誰もがその事を身を持って知ってしまっていたのだから。



 ―――もしかしたら、死村は人類を絶望させるために現れた魔女だったのかもしれない。



 その時、誰もがそう思ったことだろう。


 そしてこの終末予言を最後に、死村慈恩は姿を消してしまう。



 それ以来、人類は死の恐怖に怯えながら過ごすこととなる。


 終末獣がいつ現れるのか?審判の日がいつ訪れるのか?


 姿を消した預言者以外、誰もその日が何時(いつ)なのか、知らない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ