序
初投稿となります。
2060年、人間が他の物質を使用せず「新たな物質」を作り出すことが出来るということが分かってから早10年が経った。
しかし、その力は剣や槍を始めとした武器のみしか生成出来なかった。武器を生成することからこの力は「ウエポン」と呼ばれた。しかし、この力を手に入れた人類はどうなるか、その答えは明白であり、その全人類が懸念した結果となった。2052年に第三次世界大戦が勃発し、二年後の2054年に終結することとなったが、世界大戦終結後も多くのテロら紛争ににより世界は大混乱の時代へと陥っていた。
2060年 日本 東京都台東区
お台場に埋め立て地として作られた海の森公園。その一角にその少年は立っていた。東京湾の上を舞う「ウエポン」の力に飲み込まれ暴走した男を見上げながら。
「僕は二度と剣を握らないと決めたのに・・・、世界がそれを許さない。何故だ、何故、僕なんだ。世界には腐るほど人間がいるというのに。」
少年は嘆く。しかし、力に飲まれ、はもはや人格をも力に乗っ取られた男は少年の言葉には聞く耳を持たない。
「セカイハ、ジンルイハ、マチガエタ。ヨッテハイジョスル。」
その言葉は最もである。少年は感じた。
「だけど、生きなきゃいけないから、生きていたいから、僕はもう一度剣を握り、あなたを討つ。」
少年は静かにつぶやく。
少年の後ろ数百メートルのところには聴衆が集まり静かに、息を呑むように少年と男の対峙を見ていた。
無言が続く聴衆の中でただ一人口を開く少女がいた。
「さぁ、始まるよ・・・!だけど彼は失いすぎたもはや取り戻せないほどに。本当は剣を握るのも辛いはず。それでも君は剣を握り、再び立つんだね。」
この声は少年には届いてないだろう。しかし、まるでこの声が少年の背中を押したかのように少年は剣を握り、男のもとへ走り出し、大きく飛び、手に握る剣を大きく振り下ろした。
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