7話~平馬side~
「ねぇ渚[なぎさ]」
「なんだ? 」
「もうちょっと速くても大丈夫? 」
「あぁ構わない」
「じゃ」
そう言って一気にスピードを上げる。
(この位までなら大丈夫かな? )
そう思いつつ渚の方を見ると、汗一つかかずに僕のスピードについてきていた。
(渚、運動神経良さそうだし・・・これで頭も良かったら、顔もいいし文武両道とか、すごいよな……)
『あっおいお前ら待て! ! 』
「なぁ平馬[へいま]」
「何、渚? 」
「もう少しスピード上げられるか? 」
「うん、大丈夫。それに、僕これでも結構はやいんんだよ」
これは本当、僕この学園で1番速いんだよ。……って
「じゃあ、もっと速くしても大丈夫そうだな」
そう言って、渚がスピードを上げたけど・・・
「このぐらいだったら、ついてこれるか? 」
そうやって聞いてきた、渚もまだ、スピード上げれるのか……
「うん、もっと速くても大丈夫だよ? 僕結構足速いから、渚に合わせるよ」
「じゃあ、もっと速くてもいいか?」
「うん、これでも僕この学園で、1番足が速いって言われてるんだよ」
「そうか、なら大丈夫そうだな……いくぞっ」
そう言って、渚はもっとスピードを上げたけど……
「速・・・」
さっきも言ったけど僕この学園で、1番足速いって言われてるんだけど……
(渚には、かないそうもないな~)
『平馬! やっと捕まる気になったか! そこ動くんじゃねーぞ! ! 』
(やばっ)
渚の速さに驚いて、固まってたみたい
(早く、逃げないと…って)
「わっ」
前に視線を戻そうとして、僕はつまずいてしまった。
『平馬! 』
渚の声が聞こえてきた。いつの間にか渚は、結構遠くまで行ってたらしい。
「いった~」
「平馬、大丈夫か? 」
そう言って渚が、手を差し出してくれた。
「うん大丈夫、渚って足速いね」
「あぁ良くあいつと走ってたからな…」
あいつって、誰だろ?でも、覚えてるの2人の事だけって言ってたし、可憐ちゃんと走ってたのかな?
「立てるか? 」
「うん」
僕がそう言って立とうとした時、足首に痛みが……
「・・・っ」
捻挫したかな・・・
「捻挫したのか? 」
渚も気付いたみたい。
「うん、ごめんね~案内しようと思ってたのに」
「いや、気にするな。……それより保健室ってどこだ? 」
「? あっちだけど……ってうわっ」
僕が話してたら、急に体が浮いたって・・・
「連れてくから、案内してくれ」
渚に抱えられてるみたいだ、そこまではまぁ良しとしよう、問題はこれが・・・
「どうかしたのか? 」
「渚、何故この格好……」
「運びやすいから」
お姫様抱っこって事だ、しかも理由が運びやすいからって・・・
「行くぞ、あっちだったよな」
そんな事を、僕が考えている間に、渚は僕の言った方に走り出した・・・って
(渚、足速っ!! )
そして、僕等は保健室に向かうのだった。
行間等変更しました12.11.24