30話 先行って席とっとくね
サブタイトルは何となく本編から抜粋。結構遅くなった…
「じゃぁ発表するよ、投票の結果……」
半田[はんだ]君の言葉に皆が息を呑みます。
「リレー走者は、渚[なぎさ]くん、紅野[こうの]くん、柏木[かしわぎ]さん、穐田[あきた]くん」
私、平馬[へいま]、柏木さん、穐田くんっと……
私は、言われた名前を黒板に書いていきます。
「応援団は、訝女[いぶかめ]さん、弥生[やよい]くん、赤里[あかさと]くん、赤痢[せきり]さんに、決まりました!」
『おぉ~上手い事決まったな』『よっしゃ!痢里の応援団!』『これで組別リレーの勝は確実だな』『弥生くんと氷裏[ひょうり]ちゃんの応援団ktkr』
ホント上手い事決まりましたね。あの後わかったんですが、柏木さんもだいぶ足が早かったです。中等部では平馬の次に速いとか……平馬はこの学園で1番速いかもしれないって前言ってましたから、2番目に足が速いことになります。
秋田くんは・・・この前嫌というほど速さを実感し(させられ)ましたし。(※24話参照)
氷裏は……何かノリノリでした。やる気が有るっていいことだと思いますよ。
双子の赤里くんと赤痢さんは息ぴったりですし、弥生くんは夏白の十の一人らしいので、ファンの方がやる気出してくれると思います。
「皆!今度の体育祭、商品ゲットの為に頑張ろうっ!」
「「おうっ!」」「「おー!」」
あぁ、そういえば私と半田くんは体育祭実行委員になりました。
そう……もうそろそろ体育祭です!
しかもこの学園、体育祭で稼いだ特典上位3クラスには、商品があるんです。
今年は……学食&購買の割引券だそうです。ベタですがとっても魅力的ですよね!
実はこの学校、学食や購買の品がとっても美味しいんです。寮に住んでる人はもちろん自宅から通ってる人も買って食べてるんです。
安くて美味しくて、ファンクラブ持ちの人達がよく利用してますからね。
ちなみに、とっても安くて美味しいので私や氷裏達もよく使ってます。
「渚達も今日一緒に学食行かない?」
「ちょうど良かった、平馬も誘おうと思ってたんだ。氷裏も行くか?」
「行く!」
「訝女さん、僕の時とはすごい変わりようだね・・・」
「ごめん・・・ちょっと人見知りが……」
「そっか…」
平馬はものすっごく微妙な顔してますね、まぁ私は別として、穐田くんや柏木さんと氷裏はすぐ仲良くなってますからね。
「あっ、僕ちょっとトイレ行ってくるから先行ってて」
「・・・わかった」「あぁ、わかった先行って席っとっとくよ」
「ありがとう、じゃぁよろしく!」
そう言って平馬は去って行きました。
「渚、いこっ」
「あぁ、行くか」
「優!」
いきなり、背後から私を呼ぶ声がしました、この声は……
「楓凛[ふうり]?」
「……先行って席とっとくね」
「あぁ」
氷裏は、特に女の子が苦手みたいです。
「えっと男の子知らない?訝女さん位の、髪にヘアピンした眼鏡の格好いい男の子!」
「ごめん、知らない」
「そっか……じゃぁね!」
そう言って、楓凛はすごい勢いで去って行きました。
『あっ、いや……でもあれはなぁ……』
楓凛の言ってた特徴にぴったりの人がいたんですが……
あの人は、女の子だしなぁ・・・
「あっそうだ、早く行こう」
もしかしたら、平馬の方が先に(学食に)ついてるかもなぁ
氷「……遅い」
コ「うん、ごめん」
氷「これ書かないならせめて勉強しようよ、受験生」
コ「うっ」
ココアは精神に10のダメージを受けた!ココアは逃げ出した▼
氷「あっ……」




