用語辞典:魔界編
随時追加予定
◆白銀狼(セイリオス)
白銀の毛並みに金の瞳、白き翼を背に持つ狼の形をとるドラゴンの一族。蒼氷の里と呼ばれる万年雪に閉ざされた隠れ里に住む希少種でもある。
忠誠心が高く、一度主を決めると生涯その主人に仕え続ける性質があり、彼らを従僕とすることが貴族では一種のステータスとなる。歴代の聖王近衛主任の座もこの白銀狼が務めるのが伝統。
白銀狼の社会はおよそ四層に分かれており、上から順に現役を引退して里において白銀狼のまとめ役となった「長老衆」。次に現役で各主人の元に仕えている白銀狼達|(無論この中の最高峰が聖王近衛主任である)。次に怪我などの何らかの事情で主人を持たずに里に残り幼体達の教育に当たる者。最後にまだ主人を持つには早い幼体達となる。
なお、原則として白銀狼達は幼体期に一通りの教育を終えて成体化すると同時に紹介を受けて各地の主人の元へ奉公に出されるが、稀に成体化しても主人を持たずにいる者もおり、これは非常な恥とされている。
◆はぐれ
セイリオス特有の単語。
主人を殺した銀狼のこと。
主人に仕え、守護することを命題とする白銀狼においてはぐれになることは一種の禁忌であり、非常に不名誉なこととされて同族から嫌悪と侮蔑の対象となる。
なお、どういう原理かは不明だがはぐれとなると白銀の毛皮は黒く染まるので「忌黒」との別名もある。
◆聖王(せいおう)
人間の呼ぶ所の魔王。
魔界で最も強大な魔力を持つ者へ与えられる称号であり、全ての魔族の王とされる。
古式では先代を殺傷しえた者がその座を継いでいたが、近年では四大卿の各族の持ち回り制となっていた。
就任には公示と呼ばれる四大卿からの承認が必要である。
就任後は地の座と呼ばれる王宮に住む事が許される他、様々な特権が与えられる。
主な職務は魔界の安定と、各種族間、血族間の問題の解決、そして侵攻してくる人間から魔族を庇護することなどが期待される。
@現聖王はディアヴォロス・デュラン。
@セシェンの言によれば、初代聖王の名もデュランと言うらしい。魔界で最もポピュラーな名だとか。
◆聖王近衛主任
聖王専属の近衛部隊を統括する、いわば聖王の軍事力の要であり纏め役。
聖王に対する絶対的な忠誠心、混交種族をまとめる才覚、そして個人の武力と資質が問われる。
伝統的にセイリオス族の最も優秀な個体がこの地位を務めている。
なお、その忠誠心故に聖王交代の時に同時に引退、或いは死亡する為に歴代の王と共に入れ替わりが生じている。
@現在この地位は公的には空白。非公式にはセシェンが勤めている。
@先代はサキアス。セシェンの実の兄。
◆公示
新聖王就任の際に必要となる儀式。
主に二つの段階に分かれ、第一段階は四大卿と新聖王の対面、及び四大卿全員による聖王の正当性の承認。
第二段階は聖王就任の知らせを全魔族に向けて行う事。
これを経ずして聖王とは成れず、前聖王が死亡している場合でもこの公示が行われるまでは王座は空白扱いであり、いたずらに王を名乗った者は偽王として魔界全土での討伐対象とされる。
@デュランはこれもやや変則的な方法で押し通している。詳しくは「○○○○編」にて掲載予定
◆種―属―族
あまた存在する魔族の分類方法。一番大きな括りから種、属、族となる。
なお、属については実質的にはドラゴン属とスライム属のみを区別する為に使われている。
前者については圧倒的なその力の為、後者はあまりに細分化された事とその数の多さゆえの別格扱いである。
◆五種
魔族を区切る最も大きな括りの事。体表を覆う中で最も面積の広いものをもって分類する。
すなわち、毛皮に覆われる獣種。鱗におおわれる鱗種。羽毛に覆われる翼種。硬い殻で覆われる鎧種。その他にあたる白種の五種である。
◆四大卿
五種の内鎧種を除く四種のトップを担う族の当主によって構成される一大勢力。
すなわち獣種トップのベエマス族当主。鱗種トップのレビタヤン族当主。羽種トップのジズ族当主。白種トップのヴァンパイア族当主の四名で構成される。
主な業務は聖王の選定、承認、罷免。そして王不在時は王に代わって力の行使をする事。
立場的には聖王と同等であり、ある面では聖王を上回る権限を持つ。
現在のメンツは順にベルセラ、リゼライ、ジーニス、ヴィスカスの四名。
◆ファーヴニル
鎧種の頂点に存在するドラゴン種の高位魔族。
種の頂点にある魔族の中で唯一政治に不干渉を貫き、遺跡近くの辺境にひっそりと同種のみで集落を形成して暮らしている。
ドラゴン種の括りの中でもぬきんでた実力を持ち、その黒色の外貌から白き竜セイリオスとならび黒き竜として名を馳せている。
◆【地の座】(いわのくら)
魔界の中心であり、同時に聖王の居住地でもある場所。
巨大な空洞の真上に十字にかけられた橋の中央にあるという変わった構造をしている。
一説によれば正しい名称は【地の座】ではなく、【根の座】だとも言われているが詳しいことは不明。
内部からは大空洞の中に降りることが出来、そのさらに下は【遺跡】に通じている。
@勘の良い方お気づきでしょうが、「磐座」であり「根の国」に通ずる場所でもあるということです
◆遺跡
魔界の下辺部、及び周辺部に広がる灰色の奇妙な大地。
そこには見たこともない材質の謎の物体が散乱しており、生物の気配は一切なく、草の一つも生えることの無い死の大地である。
普段魔族たちはその遺跡の上にはびこった【世界樹】の根の大地の上で生活している為、遺跡に関わることは滅多にない。ただし、今上聖王が時折その遺跡へ降りてゆく姿を見たという話もある。
@ヒマ潰しに出てきた「プチを拾った場所」がこの遺跡
◆秋の館、秋離宮
聖王ヴァンパイア・ヴィヴィアンが伴侶の為に建てさせた「四季離宮|(或いは四季の館)」の一つ。
四つ存在する離宮のうちで最も小さいもので、その周囲は柏の森に囲まれており、その森林地帯を除く庭園の大きさも最も小さい。その名の通り年中秋の冷涼で快適な気候に保たれている。
内装は曲線と直線を組み合わせた繊細かつ優雅な構造となっており、特にホールから左右に広がる螺旋階段と硝子製の天蓋に広がる幾何学的な紋様の反復は一見の価値あり。
元はヴィヴィアンの愛人の為の別邸として建てられたものであったが、後にその愛人が反逆した末に処刑されてからは「縁起が悪い」との理由から長らく放置されてきた。
現在は聖王デュランが世を嫌ってそこに引き籠っているという噂があるが、真偽のほどは不明。
@秋離宮の構造は「アール・デコ建築」風味と思って頂ければ大体正解。
◆ハーフ
◆ドラゴン
◆スライム
◆孤高の門
◆蝕
◆番外:名前
基本は「種族名・固有名・出身地」の三部構成。そして頭文字が同じ行で始まる。
例えば「スライム・スライス・スランバース」なら「スランバース出身のスライム族のスライス」となる。
ちなみに貴族になると合間に領地名やら父方方の名、母方の名、役職などが入ってどんどん長くなる。ただし、それぞれが意味を持ち、かつステータスを示しているので当人の許可なしに勝手に区切ることは非常に無礼で無作法なのでけっしてやってはいけない。
また、例外として出身地が共通して一つしかないような場合は最後の出身地を名乗りで省略することもある。
例えばセイリオス達は皆「蒼氷の里(セイルフィア)」出身の為、基本名乗りの時に出身地は省略することが多い(セイリオス達の場合はもう一つ、出身地に関わりなく己は主人の者である、という主張も含んでいるので、幼体でない限りセイルフィアは名乗らない)。
ちなみにセシェンの正式名称は「セイリオス・セシェン・セイラム・セフィンクス・セイルフィア」。
シリウスを入れると「聖王近衛主任」の意になる。
もう一つ例外としてハーフなど出身地を持たない者は名前が二つしかない。
また固有名のみであったり、種族名と固有名の頭文字が一致しない者もいるが、これはハーフか罪人が名乗る場合の習わしである。
よって、聖王ディアヴォロス・デュランに「同族食いの罪人ではないか」という噂があるのは聖王でありながら出身地を名に持っていないというのが理由の一つになっている。
◆タブー
・同族喰いのタブー
始原王デュランの定めたタブーの一つ。
異族を食べるのは共食いでは無い。ただし、同族を食べることはタブーとされている。
同族食いを行うと非常な力を得る代わりに、一生消えない烙印が体に残され同族を食った者だと一目で分かる外貌になるという。
・異族婚のタブー
始原王デュランの定めたタブーの一つ。
基本的に婚姻は同族で行うこととされている(スライムの分類は厳密には異族ではなく亜種であるからスライム間の婚姻可能)。
ただし、例外的に聖王のみ好きな種族から伴侶を娶ることが許されている。
これを利用して、聖王に一度召し上げられてから下げ渡されることで、意中の異族へ正式に嫁ぐという方法が過去何度か行われている。