ただいま迷子中
「あー、クッソここも行き止まりだ」
「うー」
今私たちが彷徨っているのはたくさんの壁があるところだった。
「迷路的な感じ?」
「そうだな」
「ここくらい、やだ」
さっきから思ってはいるがソフリーのふわふわ度が増した気がする。
なるほど、これがなつかれたということか。
タッタッタッタッタ・・・
また足音がする。後ろを振り向くけど何もいない。
「あ、懐中電灯発見」
テラスが電気をつける。
「・・・ッ」
声が出なかった。明かりをつけた先に白い人の形をした顔もない何かが、いた。
「・・・動いて、ない?」
「固まってるな」
何で動いてないのだろう。さっきから聞こえてた足音はこいつで間違いないのに。
「貸して」
懐中電灯を奪う。テラスを引っ張り一緒に白い人に体を向けながら後ろへ下がる。
カチッカチッ電気を消し、また点ける。
「なっ・・・」
白い人はこちらに走り出そうとする態勢で固まっていた。
「やっぱりぃ」
カチカチカチカチカチ
消して点けてを楽しく繰り返すソフリー。
「そんなこと続けてたら…」
ヌンッと白い人が目の前に来た。
「おふ…」
「ホラな」
白い人にライトを浴びせながらススススス、と後ろ向きに歩く。と、ここで気づく。
「ソフリー、一つだけ言わなくてはいけないことがある」
「なに?」
「次、曲がり角だ」
そんな・・・とうなだれる。
曲がれば白い人が見えなくなる。そしたらこの迷路になっている道でどこからくるのかが分からない。
「詰んだ」
「で、一つ提案。迷路には出口があるものなので、それを探そう」
「どうやって」
「走って」
「え・・・?」
何を言っているんだ殴ってやろうか。
「曲がった瞬間に走るんだよ。で、アイツは足音がデカいから。近づいてきたら分かるでしょ」
「なるほど」
さっき殴ってやろうかとか思ってごめん。
「じゃあ、GO!!」
ダッ
ソフリーたちは駆け出した。
「体力的にはダイジョブそ?」
フッ・・・ソフリーは笑う。
「化け物に追いかけられ、ピエロに追いかけられた私をなめてもらっちゃ困るよ」
「・・・そうか」
タッタッタッタッタ
かすかに足音が聞こえた。
「やっぱり正解だな。道なんていくらでもあるんだ」
「そんな私たちも迷ってるけどね」
ソフリーをみてテラスは思う。
結構走ってるのに息上がる様子がまったくない。怖い。と
「ねえ、出口っていうかなんて言うかさ・・・エレベーター発見」
「え、ホントだ」
タッタッタッタッタ
白い人の足音が大きい。すぐそこにいる。
プツン
「「あ」」
「テラちゃん緊急事態です。懐中電灯の明かりが消えました」
「終わったな。エレベーターまで全力で走るぞー」
タッタッタッタッタ
すぐ後ろに白い人の足音がした。




