いざ、脱出☆
「よし、出ましょう」
「そうね」
「はーい」
部屋からでて廊下を歩く。何か仕掛けてくるんじゃないかと気を張っていたが・・・
「いや~、実に素晴らしく何もない」
後ろでは、いつの間にか仲良くなっていた二人が楽しそうにおしゃべりしている。
「ピエロっておバカさんなの?」
「さぁ~、どうかしら~。でも野生動物みたいなものじゃないかしら?」
「へー」
俺の話の聞き方とは全然違う返事の仕方だ。
「あ~、ほんとソフリーちゃんはかわいいわね。うちの猫とそっくりだわ~」
「む、ねこ」
「そうなの、飼いはじめは目も合わせてくれなかったんだけど、懐いてくれてからは甘えん坊さんで~」
確かに似てる。
「テラスくんにも、いつか懐いてくれるといいわね!」
「え、あ、ああ、そうですね・・・?」
長い廊下を歩いていると突然、目の前の床が動き始めた。
「なにかしら!?」
ゴゴゴゴゴと動いてできたのはいろんな方向に出来た床だった。また、下は奈落になってる。
「全部突き出てる・・・」
「渡れないじゃない。どうすればいいの!?」
床が突き出て、下が奈落の状態で動けない。
「…アスレチックみたい」
突如キラキラした目で言い放ったのはソフリーだった。こいつまじか。
「ハッ、なるほど。みてテラス君床が階段っぽくなってるわよ!」
「えー・・・」
常識人は俺しかいないのか、ここに来る奴らみんな頭おかしいんじゃないか?
「さぁ!やるわよ!」
「ご~」
「・・・えー・・・」
「ふんっぬ」
最後にアンさんが登ってきた。手を差し伸べる。
「はぁー、やっぱあなた達元気ね~。私もそろそろ年かしら」
「いや、下が奈落のなか、登ってこれたアンさんもすごいですよ・・・」
言動もすごいしな。
「そう言ってくれてうれしいわ」
ニコッと笑うその顔は、絶望の淵に立っている状況では出せないわけで・・・。
ソフリーが懐く理由がわかった。
「早くいこ。早く」
「待ーて。少し休憩してからだ」
「ブー」
「ふふっ」
急に、アンさんが笑い始めた。
「どうしたんですか」
「ほんとはね、初めに会ったたときにあなた達、仲が悪いのだと思ってたの。でも、全然違ったわね。めちゃくちゃ仲いいじゃない」
なんだろう。この雰囲気は。まるで、別れのような。
「ヒャハハハハ」
ピエロの笑い声が聞こえてきた。
「!」
「逃げましょう。アンさん。早く、立ってください」
「無理ね。最初から分かってたもの。あいつは私を逃がすつもりはないって」
靴下をめくる。そこには切られたてのような傷があった。
「最初のうちは良かったんだけど、途中から痛くって、今思えば麻酔を使われてたのね」
「俺が担ぎます。大丈夫です。逃げましょう」
言葉に落ち着きが無くなる。
「アンちゃん・・・」
「大丈夫よ、ソフリーちゃん。あなた達ならぜっ・・・」
グシャッ、音と共に血しぶきが飛んできた。
「ヒャハハハハ」
アンさんの体が、潰れていた。




