第19話 『決着のカスキングストラッシュ』
「ぶべらぁあっ!?」
俺の顔面ストレートパンチがカス王を殴り飛ばす、その威力は人間がピンポン球のようにすっ飛んでいくレベルだった。
そして見事に壁に激突するカス王、大変気分爽快な俺~~~~。
「……終わった……か」
「ふざけるな! ふざけるなーーーーーーっ!」
終わった雰囲気出していたら普通に起き上がってきたよカス王、コイツしぶといな。
「え、まだ立ち上がる元気あんの? キモ…」
「このジェネスが! 偉大なる神に認められ、世界を手にするべき王が! こんなちっぽけな国の王として終わる訳がないのだ! ましてや貴様のような下郎に負けるなどあってはならない! ああそうだとも、あってはならんのだ!」
「知らん、お前がクズで救いようがないからだろうが。そんなのが王になんてなるんじゃなかったなとしか俺には言えん……おっなんかまたレベルが上がったか?」
「げっ下郎風情がーーーー!」
カス王はブチ切れて魔法を連発する。
危険だと思い魔力でガードした、するとどうした事かさっきまではこのガードを破りそうだった攻撃魔法の数々が今では何の負荷も感じないレベルになっていた。
まるで幼稚園児くらいの子供のパンチでも食らっているかのようだ、全くガードを破られる気配がない。
敵の攻撃が効かないと判断した俺は全力でカス王を煽る事にした。
「悪いな、もう意味ないみたいだわ。それ」
「っ!? 馬鹿な……余の魔法が効いて……いない?」
「おう、もう全く効かないな、諦めろよいい加減」
「有り得ん! 有り得ん有り得ん有り得んぞそんな事はーーーーっ!」
アホがキレすぎてちょっと怖くなってきたな。そろそろ本当にケリを着けるか。
俺は全くノーダメージとなったカス王の魔法の弾幕の中を悠々と徒歩くらいの早さで進んでいく。
そしてカス王の目の前に立った時、カス王は絶望したかのような顔で俺を見ていた。
カス王が呟くように言う。
「馬鹿な、そんな……そんな馬鹿な」
「カス王さんよ、今…何かしたのか?」
「貴様………この化け物がーーーーっ!」
「化け物…? ふふっ違うな」
単なる偶然だが、このやり取りには覚えがあった。
昔見たアニメ映画だったかな。本当に何となく気分が乗ったからなのか、俺はそのセリフを口にしていた。
「俺は……悪魔だ」
「ひっひぃいっ!?」
違う、そこは……まあいいか。嫌ね、別に本当にそんな事思ってもないけどな。それはそれとして。
ガシッと頭を掴む。
手の平とカス王の頭に魔力を集中する。
タリシアの時と同じだ、普通に魔力を爆発させれば即死するので俺の魔力で保護しながらもダメージはガンガン入る具合に調整してっと。
食らえやーーー!
ボンッ! ボンッ! ボボボボボォンッ!
俺はカス王の頭で小さな爆発を何度も起こしてやった、顔面エクスプロージョンである。
カス王の頭を離す。爆破によってモクモクと上がる黒煙が消えるとそこには哀れなカス王の顔面があった。
その顔は通った鼻筋が折れ曲がり、高い鼻は潰れていた。ヤツの誇れる数少ない美点である高得点の顔面偏差値が地の底に落ちてしまった訳だ
「フハハハハハッ! いいな、中身と同レベルの酷い顔になったんじゃないか?」
完全に気絶してるらしく返事がない。
まあいいか、それなら最期のフィニッシュをするとしよう。さっきの怪物だの悪魔だのやり取りの時に思い浮かんだんだ。
コイツへの復讐、その締めとなるものがな。
◇◇◇
「………う? うう」
「起きたか」
俺は今、城の外にいた。
上空にて真下にカス王の城が望める場所に待機している。カス王は片足を逆手で掴んだ状態で更に魔力で暴れないように拘束している。
「こっここは」
「お前の城の真上、丁度城の中央の一番高いとんがり屋根の上に来てる」
「なっ何故こんな所に?」
「決まってるだろう、お前への最高の復讐をかます為だよ」
「っ!?」
状態をある程度は理解したのか暴れようと魔力を高めるカス王、しかし全ては無意味だ。
「な、これは……身体が動かないだと、しかも魔力まで操れないのか!?」
「カス王、今のお前はな、一振りの剣なんだよ」
「何を言って………まさか!?」
カス王は無駄に理解が早い、俺がお前を逆手で持ってる意味を理解したらしい。俺は腰を低く構える。
「そのまさかだ、俺は今からお前を使ってこの城をぶった切る!」
「やややや止めろーーーーーーーーーっ!」
空から下の城へと高速ダイブ、俺はカス王……いやカスキングソードを振るう。
「うぉおおおっ! カスキングストラーーーーーーッシュッ!」
復讐の決着はこのカスキングストラッシュで決まった。
城に叩きつけられるカス王の悲鳴、砕け散る城の城壁、そして笑顔で高笑いをする俺。
カス王の城は真っ二つとなった。
「ふ~~~~~………スッキリした!」
城を真っ二つにして更にぼろ切れみたいになったカスキングソードをそこら辺にポイ捨てする。
すると復讐を終えた俺のもとに何者かが現れる。
「何者ですか貴方は!?」
「ん、おたくは誰だ」
現れたのは金髪碧眼の美少女、年齢はカス王と同じくらいに見える。軍服とドレスを合体させたみたいなカチッとしていて、それでいて貴族的な階級も高そうな青い衣装を着ていた。
「わっ私はイシリア、イシリア・ワーゲストですこの国の王の妹で前線の指揮をしていて……って兄さん!?」
「あ~まあ手短に説明するから聞け」
まさかの妹、つまりは王族二号だったか。話が通じるかは分からんが復讐は終わったので割と心に余裕がある俺は先ずは話をしてみることにした。
特にカス王が国民を供物だのとか偉大なる神だの使途だのと叫んでいた事はしっかりと伝えた。
すると予想以上に直ぐ冷静になった彼女は何かカス王の異様な言動に心当たりがあったらしく静かに思案していた。
「まさか、あの噂が本当だったの? 兄さんが邪教に染まっていたなんて……」
「信じようが信じまいがどっちでもいい、俺はこのカス王を魔族共にくれてやるって約束があってな」
「魔族? 魔族達ならとっくに引き上げたわ、だからこそ私がここに来れた訳ですし」
「………え、マジで?」
心の余裕って大切ですよね。




