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不細工だと速攻追放された異世界召喚され男は野人を経て最強となる  作者: どらいあい


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第14話 『魔族ボーイ』

「それじゃあ行くぞ」


「ああ~~嫌だ~~」


 俺達はゆっくりと上昇していく。

 そんな俺達にエリンダから一言。


「私は支部の方で待ってるから、事を済ませたらさっさと戻ってきてよね~」


 まるで買い物にでも送り出す時のような軽い感じの物言い、エリンダから見て今回の魔王軍とカス王の王国とのいざこざで俺がどうにかなる可能性とかほぼないと思っているらしい。


 それは俺も同感だ、魔王軍の層の厚さとかは全く分からないから下っ端を見ただけで判断するのは早計かもと思わなくもないが、そこを細かく考えると、なら最初から首を突っ込まないのが正解になっちまうからな。


 と言うか普通にそれが正解、海の向こうのいざこざに自分から首を突っ込もうとするとか本当に馬鹿じゃんって結論にしかならないもんな。

 それでも今回だけは馬鹿をやる、全てはカス王とクソ女魔道士をぶっ飛ばす為だ。


「わかってるよ、じゃあな」


「たっ高過ぎるんですけど~っ!?」


「そりゃあおたくに逃げられたら困るからな…」


 そして空高くへと飛翔。

 高度は周囲の山々を見下ろせるくらいの高さ、地上の人間が豆粒くらいの大きさになったくらいで安定させる。


 そして魔族ボーイに指差しで確認を取り、そっちの方向へと飛んでいく。

 しばらく飛行をしていると豆粒の集まりが移動してるのを発見した。


「………お?」


「あ、アイツら…」


 レベルアップ的な能力で爆上がりした俺の身体能力、それは視力にも影響を与えている。つまり今の俺は目がかなり良くなっていた。

 その俺の目が地上にいる集まりがついさっきコテンパンにした魔王軍である事を確認した。


「おたくを見捨てていった連中だな。流石に障害物なんて何も無い空を進むと移動が速いな、もう追いついたって訳だ」


「…………多分アイツらを適当に攻撃して追い立てれば本体がある場所まで逃げるんじゃないですか?」


「お、お前…」


 魔族ボーイに闇落ちの気配ありだ。まあ他の倒れてる連中は助けたのに魔族ボーイだけは誰も気にも止めなかったからな。何か理由があるのかも知らないがあれはやられた側の心が死んでしまうって。


 しかし俺には別の復讐が待っているから魔族ボーイの私怨に乗っかる事は出来ないんだ、いずれ強くなって自らの手で復讐を果たせ。


「あれだけ痛めつけたんだ、無視しても何も出来ないだろ。先に進むぞ」


「…………」


 無言の魔族ボーイ、その視線は追い抜かれても俺達の存在に一切気付くこともない敗走魔王軍の兵士達をいつまでも見つめていた。メンヘラ気質あるかもなこのボーイ。


 距離がまだまだあると言う事で更に加速した。

 丁度いいので出せる限界の速度まで出してみると魔族ボーイが普通に気絶した、仕方ないので魔族ボーイの健康が維持されるレベルでの高速移動を続ける事にした。


 魔族ボーイから非難がましい視線を向けられながら飛行する事小一時間、何が悲しくて野郎と空を飛んでんだと思っていたら遂に俺は目的の場所を視界に捉らえる。


「あそこか」


「はい、ワーゲスト王国の王都グロバカッスです」


 それはまさに中世ヨーロッパの王都って感じの街で高い城壁に囲われた大規模な都市の中央には更に高い城壁とその中に悠然とそびえ立つ白亜の城があった。


 すげ~あんな城をどうやって建てたんだ? 魔法か? 多分魔法なのかな、この世界の魔法ってなんか色々出来そうだし。

 しかしそんな王都だが現在はかなりボロボロになってた。そりゃ魔王軍が攻め込んでるんだから当たり前の話だけどな。


 王都の城塞も一部は破壊されそこに魔族らしき豆粒が集まっている。

 王都上空には空を飛んでいる存在がいた、魔族ボーイに確認したところワイバーンを駆る飛行戦闘部隊とのこと。

 遠目からでも確認出来る光は攻撃魔法のそれだろう。


「随分と派手にやってるな」


「そりゃあ魔王軍の精鋭達とあの六魔将軍の一人である炎獄のビルラウンが来てますからね」


「つまり魔王軍ってヤツらも本気って事か? あのカス王は一体何をやらかしたんだか」


「……ボクら魔族を怒らせる事は大体全部っとだけ、本当に色々と舐めた事をしてきたんですよ。ず~とあの国は」


 魔族ボーイの顔を見ると怒りと侮蔑の表情を浮かべていた、なる程な、長年チンピラみたいな国に絡まれ続けて遂に爆発したって感じか。

 俺が元いた国だと周囲の国が皆そんなレベルのどうしょうもないのが殆どだったから想像も容易に出来た。


 そんな事を考えていると魔族ボーイから珍しく質問が飛んでくる。


「貴方の目的は一体何なんですか?」


「カス王とその右腕らしきクソ女魔道士をぶっ飛ばす」


「へぇ~カス王とクソ女魔道士をぶっ飛ばす、それはまた………は?」


「だから俺はワーゲスト王国のトップとかなり偉いヤツに理不尽な魔力の暴力をかます為にここに来てんだよ」


「えっちょ、え? ならなんでボクらと戦ったの?」


「お前らが俺にケンカをふっかけたからだ、俺はな、舐められるのが大嫌いなんだよ。それとカス王が王でカスなのは事実だがそいつの国に住んでる人間全部をカス王と同列に扱うなよ、上が作った責任は下のヤツらにも取らせろとか、そんなの全然合理的でもなければ頭良くもないからな、はた迷惑なだけだ」


 国なんて大きくなるとその時の政権がまともかで判断は変わる、国民を舐め腐った老害やクソガキに血を流せとか抜かされたらお前らを顔面パンチして血まみれにしてやろうかと思うし、元いた会社組織と心中とかって話なら少なくとも俺は絶対に御免だね。


「どっか碌でもない国に生まれたの?」


「うるせ、国がじゃない、国を動かす連中…んな話はどうでもいいんだよ」


 話を変えて飛行しながら戦況を確認する。


「城壁を囲む連中がいるな、おい魔族ボーイおたくが言ってた炎獄のビルラウンって何処にいるか分かるか?」


「え~ちょっと分からない、てか会って何をする気ですか」


「俺がカス王をぶちのめす、その後にカス王をくれてやるからそれで今回のこの戦いを手打ちに出来ないかを聞きたいと思ってな」


「そんなにこの国の人間が大事だったりするんですか?」


「いいや全く……つまらん争いが嫌いなだけだ」


 本音はそれだけ、争いとか心底嫌いだわ。


「ほうっ中々面白い事を言う人間じゃないか」


「っ!」


 前方に空に浮く人型を発見、まだかなりの距離があるのにハッキリと届いた声は男性のものだった。


「ビ、ビルラウン様!?」


 現れたのは赤い髪と赤色の瞳を持ち、褐色の肌をした優男だった。普通にイケメンだわムカつく。

 服装は戦闘中だけあって軽装だが少し目立つ金の装飾をされた鎧などの各種防具と手には一振りの剣を握っている。


 魔王軍の幹部様の登場であるってか。


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