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不細工だと速攻追放された異世界召喚され男は野人を経て最強となる  作者: どらいあい


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第12話 『島の外へ』

 部屋に到着する、相変わらず転移装置とやらが規則的に並ぶだけの部屋だ。結構広い部屋なのに転移装置の一つ一つが結構大きいので手狭に感じる。


「転移装置ね……本当にエリンダが言うみたいに海の向こうの大陸にある街になんて行けるのか?」


「ええ行けるわ、これはそれだけ高性能な代物なのよ。普通なら出回る事のない魔道具なんだから」


「よくそんなのがこんなにあったな」


「本当にそうね、この遺構といいあの獣人の彼女といい、謎ばかりよねこの島って。私の知り合いにそう言うのが大好きな子がいるからこの島の事を知ったらとっても喜びそうよ」


 やはり女スパイとかしてると変な交友関係とかあるらしい。謎が好きなの? 名探偵に憧れてるのか?


「これ以上変なのを増やすのはやめてくれよ?」


「はいはい分かってるわ……と準備が完了したわよ」


 エリンダが目の前の機械の側面に設置された制御装置らしきボタンが幾つもある機械をポチポチッとすると転移装置が動き出す。

 すると転移装置の前に現れたのは光の塊、人が通りやくする為なのか縦に楕円形の形をしている。


「本当になんか出たな」


「それを私達はゲートと呼んでいるわ、それをくぐり抜けるともう『混沌の爪』の支部よ」


 本当に便利過ぎるだろ転移装置、しかしそれとは別に確認しときたい事があるのでエリンダに質問をする。


「その支部はもう制圧されてるのか?」


「ええ、支部のある街も何処にあるかも調べはついていた所だからほぼ間違いなく制圧されてるわ。もう構成員も全て捕らえてもぬけの殻になってる筈よ」


「そうか、向こうに出たら即戦闘なんて勘弁だったからな、それなら問題ないか」


「ええ、行きましょう」


 楕円形の光をくぐり抜ける。

 すると本当に別の場所に行ったらしく内装が様変わりしていた。灰色のコンクリートと機械的だった内装が木造建築のそれにチェンジしていた。

 にしてもだ。


「……なんか大分荒されてるな」


「随分とボロボロね、多分私が所属する組織の人間が暴れたんだと思うわ」


 制圧作戦とやらの結果って事か?

 屋内の家具も破壊されてるし壁にも廊下にも穴が幾つも空いてるし。


「おたくの組織もヤバいなおい」


「失礼ね……まあ否定は出来ないけど」


「否定しないんかい、ておい無視して行くなよ!」


 無視して歩いて行くエリンダの後を追う。

 色々と破壊された廊下を進み外に出るとそこは中世の街並みを思わせる感じで、そして多くの行き交う人々の姿があった。


「これが異世界の街か、人も多いし賑わいもあるな」


「そう言えばアサヒは速攻であの島に送られたんだったわね」


「ああ、城の地下にあるって言う神聖な場所から魔法で追放されたぞ」


「本当に酷い話ね…まあせっかくこの世界に来たわけだし復讐もいいけど少しは観光気分を味わうのもいいんじゃない?」


「そうか? ………そうかもな」


 正直、一応はネコ耳がこれ以上犯罪組織の連中を尖兵に仕上げる前に事を終えようと思ってはいるが別にそこまで急いでって訳でもない、だって連中がどうなろうが知ったこっちゃないし。


 俺の目的はあくまでもカス王とクソ女魔道士への復讐だ、そしてここまでくれば復讐の対象が逃げるなんて事もない。それならある程度の余裕も生まれてくるのは事実だ。


 異世界の観光…良いじゃないか。どうせカス王とかフルボッコにしたら出来なくなりそうだから今のうちにってのは有りだと思う。

 しかし、よくよく周囲を観察すると何か違和感のような物を覚えた。


「にしても、人が多すぎないか? 活気って感じよりなんか剣呑な雰囲気の方が強い気がしてきたような」


 改めて街の様子を見る、さっきは賑わってるだけかと思ったがそうじゃないのか?

 俺の意見にエリンダも同意する。


「…確かに変ね、この街は王都に近い事もあってそれなりに賑わっている宿場町なんだけど、流石にこの人の流れの多さは異常かも」


「大変だ! 大変だーーーー!」


「おいおいまさか!」「そのまさかだよ! 魔王軍が、魔王軍が本当に攻めてきてんだ!」「あの噂は本当だったのか!」「既に王都は方位されたらしいぞ」「こっちにも魔王軍の兵が来てるって話だ」「くそ、魔族共め!」「速くこの街からも逃げるんだ!」「逃げるって何処にだよ!?」


「…………魔王軍?」


「なんか、攻められてるらしいわよ。貴方が目指そうとしてる王都…」


 は~んなる程、魔王軍、魔王軍ね。

 あのファンタジーにはお約束なヤツだ、軍って言うんだから大きな組織なんだろうな。

 そんなのが王都を包囲? えっ完全にカス王とかの命を狙ってる感じですか?

 ……観光気分とか味わってる場合じゃなかった!


「エリンダ! 急いで王都に向かうぞ!」


「ほ、本気っ!?」


「当たり前だ、王都がどうなろうと知らんけどあのカス王とクソ女魔道士は俺が先にぶちのめす。その後に魔王軍がどうしようが構わないが先ずは俺の用事の方を優先させるんだよ!」


「あ~~もう分かったわよ! この街の特産品のキノコ料理とか食べたかったのに~本当に空気読まない連中ね魔王軍って!」


 まあ魔王軍だからな、漫画だと空気を読んで大抵は負けるんだが。


「来た、本当に来たぞーーー!」


「まっまま魔王軍の兵だーーー!」「逃げろーー!」「とにかく逃げるんだーー!」「かなりの数いるぞ」「くそっ王都の騎士団を要請するか!?」「そんな時間がどこにある!?」「そもそも王都が包囲されてるんじゃ無理だろ!」「とにかく逃げるしかないんだよー!」


 まさに蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う人々、その流れの逆の方へと視線を向けるとそれらしい連中が街の入り口らしき場所に陣取っていた。


「キヒヒヒッ! 人間の街だ! 人間の街だ!」


「人間を殺し尽くせ! 奪い尽くせ!」


「我ら魔王軍の恐ろしさを教えてやる!」


 現れたのは動くガイコツだったり身体は人間だけど頭がトカゲだったり鳥だったり、それ以外にも顔まで人間っぽいがハゲていて頭から角を生やしてたりする人外の集まりだ。

 全員が武装をしていて普通に強そうだ。


「………なんか出たわよ」


「丁度いい、魔王軍とやらの情報を聞こう」


「どうやって?」


「殴って」


 まっ連中よりも遥かに強そうなのを島で散々相手にしてきたから負けるつもりはないけどな。


 俺はおそるべき魔王軍とやらに立ちはだかる事にした。


なお、エリンダの知り合いは登場する予定はないのであしからず。

その前に一段落つく予定です。

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