第9話 更新
三人目の天使ガブリエル
肌で感じるその力は、レミエル、ミカエルの比ではない
「【影間移動】!能力の応用!!」
アルテミスは瞬時に岩影に爪を立て突き刺し
鋭い爪が5つの方向からガブリエルを貫く
「全然溜まってねえが・・・
【練気一閃】!」
リュウセイは瞬時にガブリエルの前に移動し上半身を斬りつける
圧倒的な力の前に小手調べは不要
一気に決着をつける
しかし
ガブリエルは不敵な笑みを浮かべる
「ふふふ・・・挨拶の途中で攻撃を仕掛けるとは礼儀のなってない連中だ」
ガブリエルは刀や爪で貫かれているにも関わらず余裕の表情を浮かべている
「な!?」
「攻撃が聞いていない!?」
二人はガブリエルから距離をとる
「なんだあれは!?能力か!?」
「能力・・・いや、もっと【悪質】なものを感じる!」
「【悪質】?」
「うまく言えないが、私たちの理解を超えたものだ!」
「なんだそれは!?」
混乱気味の二人にガブリエルは構えをとり
「今度はこちらから行くぞ」
「来る!」
ガブリエルは手にした鎌を持ち、向かってくる
そしてガブリエルは鎌でリュウセイに鎌を振りかざす
リュウセイは刀で弾こうとするが
「え!?」
鎌が刀をすり抜け刃がリュウセイの首に向かう
「おおおおおおおおお!?」
リュウセイは紙一重で体を反り、一撃を回避する
「ははは、噂通り回避能力は一流だな。誰かを思い出すよ」
「なんだ!?防御をすり抜けたぞ!?もしかしてあいつ実体がないのか!?」
「そんなことないぞ」
ガブリエルは鎌を突き出し、リュウセイの腹部を突く
「がは!?」
確かな一撃。リュウセイは吹き飛ばされる
「お前たちの攻撃はすり抜け、俺の攻撃は通常通り与えることができる
つまり、絶対に俺に勝つことはできない。
アルテミスが言う通り、俺はお前たちの理解を超えた存在なのだ」
「ふざけやがって・・・
お前のそのすり抜ける体、何かカラクリがあるはずだ。
暴いてやる」
「暴いたところで、どうにもできやしないさ
ただの人間に」
目の前に現れたガブリエル、今まで戦ってきた敵より
遥かに異質な強さを誇っていた。
「アルテミス!影に隠れろ!!あいつは謎が多い!!」
「わ、わかった!」
岩影に一体化するアルテミス
しかし
「能力【雷光咆吼】!!」
「な!?」
「雷!?」
ガブリエルが鎌を天にかざすと雷鳴が響き渡り
雷が辺りに落ちる
雷の閃光でアルテミスは影から弾き出されてしまう
「そこか!」
ガブリエルは右手を振り下ろし
まばゆい閃光と共に雷をアルテミスに命中させる
「ああああああああああ!!!」
「ふふふ、俺の能力は【雷光咆吼】
雷を操る能力だ」
「能力・・・」
「やっぱりあのすり抜けるのは能力じゃないのか!?」
なす術もない二人が出した結論は
「逃げるぞ!!」
二人はガブリエルに背を向け一目散に走りだす
「逃げられるわけないだろ!この俺から!!」
「能力の解放!雷の実体化!!」
ガブリエルは雷で槍を作りだし、投擲する
それがアルテミスの腹部を貫く
「ああ・・・」
「アルテミス!!」
その一撃は致命傷
アルテミスは倒れてしまう
「ふふふ・・・とどめだ」
ガブリエルは上げた右手を振り下ろし、
雷がアルテミスに降りかかる
「おおおおおおおおおおおおおお!!!!」
そこにリュウセイが全身で雷を受け止め
アルテミスを守る
「はあ・・・はあ・・・」
「リュウセイ・・・」
リュウセイの鞄に火がつき
ねこねこぬいぐるみが燃え上がった
「もうやめろ!」
リュウセイが叫ぶ
「もう・・・やめてくれ・・・!
こいつを・・・もう、これ以上いじめないでくれ・・・!」
「いじめる?」
「一人で・・・いろんなやつに命を狙われて・・・
たくさん、痛い思いをしてきたんだ・・・」
リュウセイは涙ながらに訴え続ける
「お前たち天使の正体は、なんとなくわかる・・・。
もう・・・こんなことはやめてくれ・・・!
かわいそうだろ・・・」
ガブリエルは笑いながら答える
「かわいそう?お前も変わったやつだな
ゲームのキャラクターに情が湧くなんて」
「え!?」
ガブリエルの言葉にアルテミスは耳を疑う
「ゲ、ゲーム?キャラクター??
どういうこと・・・?」
「なんだお前、忘れたのか?
ああ、『初期化』したんだったな
ゲームの名前は『ステラ・ストリア』多くのユーザーが交わるオンラインゲーム」
「お前は、そのゲームを盛り上げるためにイベントで作られたキャラクターなのだ!!」
「・・・!?」
「【能力分析】、【状況解析】、【最適解】・・・あらゆる計算を瞬時に行い、実行する。全く、学習能力の高いAIで非常に手を焼いたよ。」
「AI・・・、キャラクター・・・」
(アルテミスだ!倒せ!!)
(状況解析、最適解は・・・)
(当然だ、私は感情を持ったAI・・・)
蘇る自身の記憶。それはガブリエルの言葉を裏付けるものだった
「私は・・・私は・・・」
自分は、この世界の人間だと思ってた。
自分の意思で生きていると思ってた。
でも違う。世界も、自分も全て作り物
その事実に、アルテミスは生きること絶念してしまう
「さて、答え合わせも済んだことだし、終わりにしようか」
ガブリエルがアルテミスの元に近づいてくる
「やめろおおおおおおお!!!」
リュウセイがアルテミスの前に立ち塞がる
「お前がなぜ、そいつにこだわるかはわからないが
ついでに消してやる」
ガブリエルは右手を前に出し、魔力が高まっていく
「奥義!雷轟竜顕——!」
空を裂くような轟音とともに、放たれた雷が瞬く間に渦を巻き、巨大な竜の姿を形作る。
雷の竜は天を駆け、リュウセイへと襲いかかる。
「ぐああああああああ!!!」
リュウセイは激しい雷の衝撃を全身で受け止め吹き飛ばされる
「アルテミスを守りながら自分は致命傷を避けたか。器用なやつだな
だが無駄なことを・・・
確実に首を狩ってとどめをさしてやる」
ガブリエルは鎌を手にし再びアルテミスに近づいていく
「く・・・体が・・・動かねえ・・・」
雷の特性、受けると体が麻痺し一定時間動けなくことがある
リュウセイは地面に伏したままの状態
できるのは、全力で声を出すことだけ
「逃げろ!アルテミス!!俺はやられても死んだりしないが、
お前がやられてしまうと・・・」
それでもアルテミスは倒れているままだった。
戦意は完全に喪失してしまい、目の前で燃えていくねこねこのぬいぐるみを眺めながら
涙を流すことしかできなかった。
ガブリエルはアルテミスの髪を掴み立ち上がらせ
「これで、終わりだ」
鎌がアルテミスの首に振りかかる
(もし再び月の女神が太陽の女神の記憶を取り戻した時に訪れるのは
世界の災いか、それとも・・・)
「アルテミス!思い出せ!!
イリスのことを!!」
「イリス・・・!?」
(アルテミスにも教えてあげるよ!
自身のプログラムの書き換え方を!!)
(もし、プログラムをいじった相手が現れた時・・・
その相手だけに、同等のプログラムで対抗することを許すわ)
ープログラム コード書き換え 更新開始・・・ー
目の前に血飛沫が舞う
世界の真相が暴かれるのですが、
この設定ってよくあるけど評判悪いことが多い印象です
でもこの設定でいきました




