アンガーマネジメント講座【怒りの6秒ルール】
皆さん、こんにちは。本日は怒りのコントロール、アンガーマネジメントについてお話しします。「怒りのピークは6秒間」という言葉を耳にしたことがありませんか?
この6秒という数字は、怒りなどの情動を司る大脳辺縁系が活性化し、それに対して理性のブレーキをかける前頭葉が働き始めるまでのタイムラグだと言われています。何かに腹が立っても、たった数秒間じっと堪えるだけで自然と瞬間的な怒りは収まってしまうのです。
つまり、我々が理不尽な怒りを感じた場合は、迅速かつ確実にその元凶を撲滅しなければならないのです。
嘆かわしいことに各種メディアや書籍において「6秒間我慢をするべき」などという誤った対処法が時折紹介されているようですが、完全に逆効果と言わざるを得ません。たとえその場しのぎで誤魔化すことができても、怒りは消えてなくなる訳ではないのです。
ご飯を食べているとき、お風呂に入っているとき、眠る前に布団の中で一日を振り返るとき……記憶とともに怒りは必ずぶり返し、そのたびに悪化します。無理に押さえつけられた感情は水面下で膨らみ、思わぬタイミングで暴発して、関係ない人まで巻き込み傷つけてしまうかもしれません。
たとえ上手く制御できているつもりでも、抑圧された不満は気づかぬうちに深刻なストレスへと変貌し、あなたの精神を蝕んでしまいます。我慢は問題解決の先延ばしであり、対症療法に過ぎないのです。だからこそ、怒りは正しい相手に正しいタイミングで正しくぶつけて解消しなければなりません。
「鉄と拳は熱いうちに打て」という先人の教えもあります。アツアツホカホカの新鮮な怒りを拳に込めて、みぞおち・喉仏・人中・こめかみ・顎などの急所を狙い力一杯放つのです。荒れ狂う激情を抑えこむのではなく、飲み込まれるのでもなく、巧みに乗りこなさなければなりません。
……どうしましたか、皆さん?
「思ってたのと違う!」
「こんなのアンガーマネジメントじゃない!」
「サイコパス暴力講師!」
……なるほど。早速、実践編に移りたいということですね。皆さん、勉強熱心で何よりです。
皆さんが静かになるまで2分半かかりました。30名で割ると一人当たり5秒。よく分かったでしょう。これが、真のアンガーマネジメントの力なのです。おかげで私の心は今、ほんの少しの苛立ちもなく凪のように穏やかです。
さて、次回の講義内容は少しフライングで実演してしまいましたが、「日常生活で使える素早く敵を倒すための快適時短術」です。来週もまた来てくださいね。