こうもりダーキー
結局日付が変わる直前になってしまった。
今日は私のペンネームの話をします。……それしかぱっと思いつくネタがありませんでした。
私は小学生の頃トレーディングカードゲームに興味を持っていたのですが諸事情により買うことができませんでした。本来ならじゃあ仕方ないかで済ませたのですが、ふと閃いたのです。買えないなら作ってしまえばいいと。
厚紙を切り抜いて上半分にはモンスターの絵を下半分にはカードの効果を書き、自分だけのオリジナルカードを作って遊ぶようになりました。
デッキを組めるほどの枚数になってからは本物のカードを持つ友人達と対戦するようになりました。自分だけ非公式なカードを使っているのに何年もいっしょに遊んでくれたみんなは本当に心が広いなと今でも思います。
こうもりダーキーとは自分の記憶が確かなら一番最初に作ったモンスターカードです。こうもりをゆるキャラ化した、というより子供の落書きレベルの絵を厚紙に書いただけの非常に簡素なものでしたが。他にも色々描いたのですが何故かこれだけがとても印象に残っています。
それ以来私は毎日のようにカードを作り続け、最終的には二百枚をゆうに超えていたと思います。そしてその頃にはだいぶ細かい絵も描けるようになりました。今同じことをやれと言われても多分できません。
あれから何年もの時が過ぎ、いつしかカードで遊んでいたことすらすっかり忘れていました。
しかし初めて挑戦した三題噺が納得のできるものではなくモヤモヤしたまま寝床に入った時、何故かあの頃のことを思い出しました。
次はどんなモンスターを描こう、今度はこんな効果があったら面白いのではないかとあれこれ考える日々。
自分の人生を振り返ってみて、あれ以上に楽しかったものは恐らく数えるほどしかありませんし、それが何かと聞かれたらすぐには思いつきません。
にもかかわらず何故忘れてしまったのか。
そしてこうもりダーキーの絵が頭に浮かんだ時、さっきまであったモヤモヤはいつの間にか消えていました。
最初は下手くそで構わないしそれを恥ずかしがる必要もない。たとえ今はまだこうもりダーキーレベルの作品しか書けなくても数をこなせば、それこそ二百回ぐらい書けばそこそこ満足のいくものができる。
そんな気持ちを込めて私はペンネームをこうもりダーキーに変えることにしました。