ハイファンタジーをやめてみる
最近、と言ってもほんの2、3日前からだが、毎朝時間を測ってショートショートを書くようにしている。
今までのようにダラダラとやるよりも圧倒的に書きやすい。
テストと一緒で時間制限があった方が集中力が増すらしい。
そうして書き続けていくうちに気付いたことがある。
かつてチャレンジしていた三題噺も含めて、即席で出来上がる物語は全て現代が舞台だ。
ショートショートのジャンルをその他から現代ファンタジーに設定し直したのはそれが理由だ。
一つホラーものも混ざっているが、あれもまあローファンタジーのようなものだろう。
しかし、何故ハイではなくローなのだろう。
どちらも非現実的な物語であることに変わりはないのに。
これに関しては原因はまったくわからないが、わからないなりに推測を立ててみた。
日本生まれ日本育ちなので、現代日本のことを考えろと言われれば昔のことから今日あったことまで様々な出来事を思い浮かべることが出来る。
一方、中世ヨーロッパには当然行ったこともない。
というよりも外国や平成以前の時代のことなど教科書でかじったぐらいの知識しかない。
そのため、中世ヨーロッパとよく似た異世界のことを考えろと言われても「そもそもその時代には何があって何がないの?」と疑問符しか湧いてこない。
無論、異世界が舞台の物語はそこそこ読んだし、アニメも結構な数を視聴した。
しかし、それらは異世界の一部分を切り取って情報を見せてくれているだけに過ぎない。
生活様式や建築物の事細かな見取り図、生態系、その他諸々の情報の全てがわかるわけではない。
一応設定集を公開している作品もある。
しかし、五感で知ることができない。
あくまで視覚と聴覚でのみ情報を収集できる。
嗅覚、味覚、触覚で感じることができない。
そこが現代日本との一番の差かもしれない。
異世界が舞台となる利点は、作者が自由に設定を決められることだ。
ただ、逆に言えば全て作者が決めなければならない。
私はいつも異世界が舞台の長編を書こうとして挫折し続けてきた。
もし誰かに「その世界での暮らしはどうなっているのですか?」と尋ねられれば、たとえどれほど絵心があろうとぼんやりとした絵しか描けない。
では何故ハイファンタジーばかり書こうとしていたのか。
今まで読んだラノベがほとんど異世界物なので、「Web小説といえばハイファンタジーでしょ!」という固定観念ができてしまっていたからだ。
もちろん実際にはそんなことはない。
現代日本が舞台の作品も大量に存在している。
なら、異世界にこだわり続ける必要はないのだ。
というわけでエターにしている時点で今更だとは思うが、今日からハイファンタジーを書こうとするのをやめてみることにした。
ショートショートで発想力を鍛えて、徐々に文章量を上げてローファンタジーを書いていく方針だ。
これで更新量がどうなるかはわからないが、少なくとも今よりは悩む時間は少なくなるはずだ。
できることならもっと早く気付きたかったが、過ぎてしまったものはもう仕方がない。
あまり焦らずに明日も一作短編を書き上げよう。