リコーダー吹きたい
私の記憶が確かなら小中高とリコーダーを吹いていたはずだ。
いや、高校生の頃は美術しか選択していなかったような気がしないでもないが。
家庭科は中学だけだったのか、それとも高校でもあったのか。
そもそも学生時代のことなんてあまり覚えてはいない。
閑話休題。
少なくとも中学生の頃は確実に音楽の授業があった。
リコーダーを演奏するのは嫌ではなかった。
むしろ新しい曲の楽譜を見るたびにワクワクしていた。
しかし、お世辞にもうまいとは言えなかった。
というか下手だった。
アカペラほど酷くはなかったが。
何故上手くなかったのか。
授業以外でろくに練習しようとしなかったからだ。
これでは上達のしようがない。
練習しているところを、より正確に言えば失敗したところを見られるのが苦手だった。
授業でなら、皆一斉に演奏するので、特に問題はなかった。
しかし、テストなどで1人か2人で吹く時は、緊張して指が上手く動かなかった。
母から練習しているところをビデオで撮って客観視してはどうかとアドバイスを受けたことがある。
しかし、自分が失敗しているところを記録されるなど、恥ずかしくてできなかった。
今思えば非常に勿体なかった。
プロではないのだから下手なのは当然であり、修練を積み重ねなければ上達はできない。
それに、好きなのにやらないことほど悲しくて勿体無いことはないのではないだろうか。
後、人間というものは自分が思っているほど他者に興味を持っていない。
誰かがリコーダーの演奏をしていても「ああ、誰か吹いてるな」ぐらいにしか思わない。
実際に私がそうだった。
今、私の手元にはリコーダーやそれ以外の楽器が一つも存在していない。
アパートの壁が薄くて持っていく訳にもいかなかったのだ。
ならサークルにでも参加すればよかったのだが、引っ込み事案な性格は大学生になっても相変わらずで、結局どこのサークルにも所属しなかった。
音楽だけでなく、いろんなことに挑戦しなかったことを何度も後悔した。
自己嫌悪など何度したかも覚えていない。
しかし、いくら嘆いたところで過去はもう変えられない。
変えられるのは今と未来だけだ。
とはいえ、前述の理由で、アパートで練習することはできない。
何処かの音楽教室に通えるほど金銭的に余裕がある、なんてこともない。
そもそも来月から就職の為に実家に帰る予定なのでそういった意味でもこのタイミングで習い事はできない。
ならば、楽器以外を練習すればいい。
そう、歌だ。
歌であればカラオケでいくらでも練習できる。
カラオケだけではない。
外を出歩いている時に鼻腔共鳴などを意識してハミングを続ければボイストレーニングができる。
足らぬ足らぬは工夫が足りぬ、とはいうがまさにその通り。
普段の行動に「ちょい足し」すれば毎日が特訓になる。
そして実家に戻って働き、給料が出ればそこからリコーダーを含めた楽器の購入に移ればいい。
というわけで今日もさりげなくボイトレだ。