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妖精のランプ
図書館の新聞の隅の方に、絶滅していたと考えられていた植物についての記事が掲載されていた。
名前をコウベタヌキノショクダイ。
妖精のランプとも呼ばれているそうだ。
写真を見る限り花は透き通った黄色で、工芸品のような美しさがある。
見つかったのは約30年ぶりであり、保護が進むことを期待したい。
こうなると、これ以外の絶滅したとされる動植物も実は生存している、という可能性もゼロではなくなってきた。
件の花はおよそ1センチで、よく観察していないとまず気付かないだろう。
私たちが歩いている道にも実は珍しい植物が生息しているのかもしれない。
世紀の大発見などそう簡単に起きるものではないが、少しぐらいはワクワクして下を見るのもいい。
もちろん、しっかりと周りに注意をしながら、だが。