演習つらい
奈乃さんはそれから黙って電車と川を見つめていた。そして、
「一緒にいてくれてありがと。なんか落ち着いてきた。コツコツがんばる私」
「うん」
僕はうなずいた。
僕と奈乃さんはそれからも、景色を眺めた。
思ったよりも散歩に時間を使ってしまったけど、大切な時間だったと思う。
僕も、いろいろ考えてしまったけど、やっぱり、自分なりに学力を伸ばすことを地道にやるのが大事だと思う。
ちょっとまだ何かがもやもやしていて、ふいに、大学生活を楽しんでいるであろう沙音華を思い浮かべたりした。
うん。だけどとにかく勉強だ。
基礎知識確認を簡単に済ませ、トイレに行ってテキストとルーズリーフを出して準備万端。
そして午後の授業を僕は受けた。
それから一週間が過ぎればついに秋の期間。
予備校の授業は演習の割合が増えて、しかも演習の内容が難しくなる。
しかも、演習の結果の分布が毎回貼り出されるようになる。
こうして、ちょっと緊張感のある日々へと突入するわけだ。
で、早速、一回目の演習が始まった。
過去問を模した構成の数学。
大問は6問。全問記述。時間は180分間。
長くてやばい。これだけで午前中潰れるからな。
いや志望校別模試の時も同じだったんだけどね。あれはめっちゃ覚悟して望んでたから。
演習は、この数学が毎週あって、もちろん英語と理科もある。さらにマーク試験演習まで。
毎週模試を受けてる気分だ。
でも高頻度で自分の実力を試す機会が訪れることはいいことだ。
夏の志望校別模試の結果を引きずる必要もなくなるし。
ていうわけでめっちゃ頑張ったよ僕は。
さらに午後から始まる解説授業。えーと、この後普通の理科の授業ありますよねー。集中持つか心配ですねー。
そんな僕のことを気にかけてくれることなんてないので、数学の先生は、めっちゃ数式を書いて説明していく。
あれ? 途中まで僕が解いたのと同じ結果だったのにいつの間にか違ってる……。
……あ、計算ミスってたっぽい。
はあ。ほんと、数学はこんな感じで体感よりもどんどん点数が下がるから大変だ。




