寝落ちした
実際のマーク試験の本番は、二日間に分けて行われる。
しかし、マーク模試は、本番と同じ内容を一日で済ませる。
頭おかしい。
頭がおかしいので、僕は朝9時半から夜の8時まで試験を受けた。
流石に最後の化学とかもう計算ミスだらけだろうな。
僕は頭が働かない状態のまま家に帰った。
今日は自己採点したらさっさと寝よう。勉強したところでなにも頭に残らないと思う。
「はー、つかれたって、沙音華いるのか」
「いるよー。お疲れー! マーク模試九割行った?」
「行くわけないだろ、宝くじに当たる並みの確率で勘が当たっても行かないわ」
「だよね〜」
沙音華はそう言いながらパソコンのキーボードをたたく。レポートを書いているみたいだ。前よりも打つのが早くなってるな、胸以外にも成長が見られる幼馴染。
そんな沙音華を時々眺めながら、僕は高速で自己採点だけ済ませた。解き直しは明日やる。もう眠い。
まあ採点結果は、普通ってくらいの結果だったので特に感想もないし、僕はさっさと寝ることにした。
「沙音華、僕寝るな。気にしないでいていいからな」
「あ、おやすみー。キリいいところで私も帰るね」
そう沙音華の返事を聞いて、それから直ぐに寝てしまった。
次の朝なのかなって頃に目が覚めた。
はあ……。今日は夏期講習もないし、少しだけ余裕のある日だ。余裕のある日だからこそちゃんと勉強しなきゃなあ……って、沙音華床で寝てるんだけど。
昨日帰る前に寝落ちしちゃったんですかいな。
「おーい、沙音華、ここで一夜明かしちゃってるぞ」
「んっ……あっ! あ! ほんとだ!」
沙音華が起きてそれから僕の部屋の時計を見て、さらに僕がプレゼントした時計を見た。
「あー、寝心地悪かった」
「まあ床だからな」
「うん……ていうかトイレ行きたくなってきた行ってこよ」
沙音華は部屋から出て行った。
そしてトイレから帰ってきた沙音華は、
「やばいやばい! うおわおえおわお!」
「どうした?」
「今日大学登校日だった! 早く家帰って着替えたりしないと!」
「マジかよ、頑張れ。間に合うといいな」
「間に合うように頑張る! あー、やばいやばい、とりあえず着替えないと!」
おい、脱いじゃうのかよ沙音華。沙音華のブラはピンクでした。
「あー! ここで脱いでも着替え私わたしんちじゃん! なに慌ててんのわたし……ていうかたいせ私のブラみた!」
「僕の部屋で突然脱いだのに見ないのは無理なんですけど……」
あと、沙音華の胸を包むブラに興味があったのもあるよ、確かにごめんそこは謝る。
沙音華は急いで服を着なおしてそのまますごい速さで階段を降りて玄関の扉から出て行った。
……大学生も大変だな。間に合うといいね。




