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マーク模試も大事だよ

 榎咲と夏期講習を頑張った僕は自習室には寄らずに帰宅した。


 はー。今日から三日間沙音華がいないなあ。


 背中が涼しくて軽いという、夏には快適な状態なはずなのに、やたら静かだ。


 もちろん今までだって沙音華が毎日来ていたわけではないけど。




「泰成」


 うわ、母親に呼ばれた。


 自分の部屋を出て階段を降りて行って訊いた。


「なに?」


「山上先生から電話」


「……まじか」


 僕は受話器を受け取る。


『お、もしもし。あのな、忘れ物が届いてるから一応連絡しておいたが』


「え、忘れ物ですか。何を忘れたんでしょう?」


『腕時計が届いたぞ。裏に雑に名前が書いてある』


「あ、それ僕のですね」


 三百円のやつだね。あと同じのが二つある。


『明日の講習前に受付に取りに来てくれ。あ、あと今週末マーク模試だからな。忘れないでこいよ』


「ああ。はいもちろんです」


 存在忘れてましたねー。


 志望校別模試の重要度の高さと、沙音華との旅行、そしてここのところの講習でかき消されてた。


『じゃ、マーク模試期待してるぞ。あのな、国立前期ではマーク試験の割合低いかもしれないけどな、後期では重要だし、マーク試験利用入試もあるんだからな。割と大事だぞ。この前みたいに解く科目間違えられたら困る』


「そうですね……頑張ります」


 電話は終わったので部屋に戻る。


 えーと、マーク模試の勉強しないとだな……。


 とりあえずHBの鉛筆削ることからはじめよう。


 電動鉛筆削りなんてものはうちにないので、鉛筆をさしてぐるぐる回していると、すでに腕が疲れた。


 五本くらい削って準備完了。


 さて、どの教科からやるか。


 ……うん。地理にしよう地理。


 理系は気楽に文系科目を受けがちなので、つい逃げてしまう。


 いやでも地理も大事というか、地理の勉強ここ最近なんもしてなかった。


 そう。だから地理をやるのであって、決してめんどくさい計算をしたくないからではない。


 と、言い訳をしてから、兄弟が予備校に置き去りになってしまった腕時計くんで開始時間を記録して、地理を解き始めた。


お読みいただきありがとうございます。今回つまんなさ過ぎてごめんなさい。でも、主人公がマーク試験の勉強をまじめにやることが、今後の受験プランや受験結果の展開に影響する予定なので書きました。次話はもう沙音華が戻ってきます。

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