水着でダンスするサークル入ろうかな
僕は予備校から帰ってきた。今日は古文と、数学と、英語の授業があった。
昨日の沙音華のおかげで古文の授業はとてもついていけた。あまりにもいつもよりわかるので、ノートをのりのりでとっていた。
数学と英語もまあまあ。演習の手応えもまあまあだ。
「じゃあ全体的には今日はおっけーって感じね」
「まあ……おかげさまで。沙音華は大学どうだった?」
「うーん。サークル選びで悩み中〜。テニスサークルって言っても何個もあって全然雰囲気違って」
「そうか。人数多いもんな。それだけいろんな集団が出来上がるわけだ」
「そう。あと、なんか水着でダンスするサークルも発見した」
「マジかよ!」
「それも候補」
「候補なんだな……」
そう答えるとともに、早速、沙音華の揺れる胸を想像してしまう。
「……よし、僕は勉強頑張るか」
当然予備校にサークルなどない。勉強しておしまいだ。強いて楽しいことについて言えば、昼休みに近くの席の人と話す程度だろうか。僕の場合は。
開放スペースでわいわいやっているような連中もいる。
そういう人は余裕なのか知らないけど、僕は話すのもご飯もさっと終わらせて、昼休みも勉強することにしている。
そして、予備校から帰って、今からも、当然勉強だ。
沙音華は帰りに買ってきたと思われるマンガを読み始めた。沙音華は優しくて、だから僕の前では僕があまり興味のないマンガを読む。
僕は数学のテキストを広げた。
僕の嫌いな確率漸化式の問題だ。嫌いなものが多くてごめん。おっぱいは好きだよ。前も言ったかごめん。
確率漸化式の問題……難しい、が……これは、解けるかもしれない。
そうしてしばらく色々ノートに推移図を書いたりや計算をしたりしていると、いつの間にか沙音華がノートを見てきた。おっぱいがノートに乗りそう。
「もっと整理して書いた方がいいよ。テストの記述式の答案のつもりで」
「そうか」
「その方が自分の頭も整理されるし。確率漸化式は答えが出たら、実際に具体的な値を当てはめて検算みたいにできるでしょ。それでおかしくなったら戻らないといけないわけだし」
「なるほど」
そういう工夫でミスを減らせるし、ミスを見つけた時、対処も楽になるわけだ。
沙音華のアドバイスで、僕は今日も少し、成長することができた。