勉強のやる気
「綺麗な沢だねー!」
「すごいな、音もいいな」
あれだな、受験勉強で傷んでしまった心の汚れが流れて行くぞ。また都会に戻ったら下流で再キャッチしてしまう可能性があるが。
「ここで裸になって泳いだら気持ちいいんだろうな〜」
普段から水着で生活したいと思っている沙音華の解放度が一段とアップした。
「裸って……絶対冷たくてやばい」
「じゃあたいせにあっためてもらおっかな」
「……」
「あー! どうせ今私の裸想像した、えっちだなあこんな大自然の中にいるのに」
「そ、想像はしたかもしれないけど、いちいち幼稚すぎな」
「ふえひひ」
にこにこ笑って沢の方に降りて行く沙音華。
僕も岩で滑らないように気をつけながら降りて行く。
水に手を入れてみるとやっぱりすごい冷たかった。
シャーペンばっかり握っている手が清らかになっていく。
「え」
沙音華も手を入れてきた……のはそうなんだけど、僕の手を握ってきた。
温度差で手が固まりそうなんですけど。
おっぱいが当たっているのより緊張するわ。
おっぱいに順応しすぎてしまった可能性ありだなこれ。
「はい、冷たいの一緒に我慢しよ?……あっ! もう出した早すぎ」
思わず手を水から出してしまった。
沙音華は僕から手を離して、
「はい先行くよ、旅館にもちゃんと早めについて本命の特訓の時間だからね」
「あい」
僕は返事をして沙音華について行って先に進んだ。
僕と沙音華はハイキングを満喫した。途中カモシカがいたりして沙音華がめちゃくちゃ興奮していた。僕は興奮をおさえて写真を撮った。
それでもちゃんと暗くなる前に旅館の前まで歩いてこれた。
今から勉強か……思っていたよりモチベが高い。
やはり予備校の周りの散歩とはリフレッシュの度合いが違う。
しかし、高いのは旅館に着いた時までだった。
「こ、この旅館、自然の中にあるくせに、カラオケもゲームセンターも卓球場もあるじゃんかよ……」
「そう、すごいでしょ……ってあれ、もしかしてたいせ、勉強したくなくなっちゃった……?」
「あ、いや、そんな、浪人生にあんなところで遊ぶ資格はないだろー、よゆーでべんきょーしたいなー」
「……」
……現役合格幼馴染をごまかすことはできていないみたいだった。




