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旅行に出発

 夏期講習第一期間が終わった。


 ほんとにめちゃくちゃ勉強した(あと奈乃さんともだいぶ話しやすい関係になれた)。


 で、夏期講習第二期間は何も取ってないので、沙音華とのお泊りイベントだ。


 正直双方の親は完全に僕と沙音華は幼馴染だと思っているのでなんも思ってないみたいだが、僕は緊張しているし、沙音華も行きの電車の中で少しだけまじめなふうになっていた。


 でもせっかく高二の時にバイトをしたりおこづかいをためたりして割と持っていたお金を使って旅行に行くので楽しみたい。


 でも勉強もしないと……。


「天気が良くてよかったね! 多分景色もいいし気持ちよくハイキングできるよね!」


「だな、それはよかった」


 山梨の方面へと向かう電車は森の中を走っていた。


 建物ばっかりの予備校で勉強するより、森に囲まれた旅館で勉強する方が、質がいい勉強ができるに決まってるな。


 と確信するくらい、すでに自然に気持ちがほぐされていた。


 二時間ほどそこから電車に乗ってさらに乗り換えをして、目的地周辺に到着した。


 まずは、ここからハイキングコースを今日は歩いて、その後に旅館に戻る。


 そして、旅館では……がんばって勉強したい。


 見て見れば沙音華はなんか駅のお土産屋さんで楽しそうにお菓子の試食を始めていた。


「帰りの方が良くない?」


「買うのは帰りだよ。買う候補を絞るのが今」

 

「そうかよ、こだわってるな」


 まあ結構沙音華はお菓子好きだからな。


 僕はこういう時はてきとうになんとか限定で20枚入りのクッキーかなんかを買うんだけど。




 一通り候補を絞った沙音華と僕は、バスに乗ってハイキングコースの入り口まで行った。


「たまに通るかもしれないくまっちに出会った時のための鈴つけてる?」


「つけてるよ」


 実際クマは怖い。


 噛まれたら命に関わるかもしれないし、そこまで行かなくても、絶対に右手を負傷したくない。


 ていうかクマ関係なくても滑ったりして右手を怪我しないようにしないとな。


「あ、綺麗なお花」


 勝手に少し進んでいた沙音華がしゃがんで写真を撮っていた。


 沙音華はもともと結構生き物とか自然が好きなのだ。


 そもそも大学だって生命系の学部に行っている。


 僕も幼い頃沙音華とは自然の中で遊んだから好きだ。


 まあ大学の志望は工学部だけど、こんなところまで来てそんな話をしてても仕方ないので、僕は沙音華の隣に行って見慣れない花を見て癒されることにした。

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