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歯形二回目

「はい食べるの進んでないってなわけでもらう~」


 沙音華が、僕の家にいるときとふつうに同じノリで、僕からポテトやらニンジンやらを奪っていく。ニンジンあんまり好きじゃないから歓迎いたす。小学生みたいでごめんね。でもあんまり好きじゃないのはほんと。


「二人って仲がいいんだなー。幼馴染って私居ないからなー」


 そう言いながら穏やかに食事する沙音華の友達。榎咲も静かにしている。

 

 大体この状況見てても、優秀な人って、精神年齢崩壊している人か精神年齢もついていってる人の二択なんだよなきっと。


 個人的には榎咲は頭いいと思ってるし。サッカー部が厳しくてあんまり勉強できなかったって言ってたしな。それで後二点だもんな。


 僕は結構勉強が空回りしちゃってるからなあ。ていうかふつうそうなる気がするんだが……。


 僕は、ハンバーグを食べながら頭の中で今日の授業のハイライトを再生する。今日は理系クラスにとっては激レアイベントが発生して、センター地理の文理合同授業の時に、かわいい女の子の隣になった。マジでかわいかった。頑張って勉強してる姿見たら応援したくなるくらいの可愛さ。


 とかしか思い出せないから勉強が空回りしてるんだよな。授業中にノート取るだけじゃなくてちゃんと頭に入れないといけないのに、残ってるものが男子高校生過ぎる。一応高校は卒業したんだからそういうのおしまいな。


 僕は自分に言い聞かせてお皿に意識を戻したら、ハンバーグにでかい歯型がいつのまにかあった。


 女子の歯型かよほんとこれ。


「アイスならともかくハンバーグは歯形つけるのは下品だと思うな沙音華……」


「え?じゃあハンバーガーちぎって食べてんの? ウケるたいせー、お嬢様?」


「……」


「ハンバーガーと、ハンバーグステーキはちがうんじゃないかな?」


 そう! そうなんだよ違うよな! さすが沙音華の穏やかな友達! 


「違うかな~えへへ」


「お前の幼馴染可愛いな~」


 榎咲がうなずいた。え? 浪人が辛すぎて感性おかしくなってんじゃないかな……。やっぱ初対面だし、沙音華結構かわいくて胸も大きいっていうのが働いてるでしょ。


 僕は、笑顔の沙音華を見た。そして、沙音華の友達と榎咲を見た。みんな笑顔だなあ。


 ……予備校でご飯食べてるときよりも雰囲気が明るいよな。


 そう考えているうちに、いつの間にか全く眠くなくなっているのに気が付いた。



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