女の子によるダメージと回復
予備校が終わって、少し自習していると六時半。夕飯の時間だ。
僕は榎咲と近くのファミレスに行った。
ちなみに、勉強ばかりしていると、食べるのが楽しく感じる。あとお風呂も。
日常的にすることで勉強ではないことがすごく楽しく感じるのだ。
だから僕と榎咲は、小学生みたいにうきうきでメニューをめくる。
すると、
「おー、熱心にメニュー選んでる人発見。こんなところにいたのたいせ」
沙音華と見知らぬ沙音華の友人っぽい人が現れた。友人っぽい人は賢そうな女子。てきぱきしてそうで、甘えたくなる雰囲気である。
「お、お前の彼女かよ」
「違う、ただの幼馴染のJD」
「JD……」
榎咲に少しダメージがいく。当然だ。浪人生は大学生を見るだけでダメージを受ける。
彼女(浪人)だった方が榎咲へのダメージは小さかっただろう。
しかももうひと攻撃あるからな。
「あ、わたしね、たいせが残念だったところの大学なんだー」
はい、沙音華が自ら攻撃してくれましたね。
まあ僕から攻撃されるよりは可愛くて胸も大きい女の子から攻撃された方が良かっただろう……って思ったけど、
「くっそー! あと二点あれば今頃こんな可愛い女の子二人と同級生だったのかよ!」
あ、そっちの方向で悔しがるか。
ていうか榎咲あと二点だったのかよ……ギリ落ちは辛いな……記号問題あと一個運良く当たってれば受かったかもしれないわけだもんな。
ちなみにぼくは十八点差……。
僕と榎咲が落ち、沙音華と、あと多分隣の子も? が受かった大学は、得点開示が後から来る。
まあだからギリ落ちの人は悔しい思いを合格発表と得点開示の二回することになるってことだ。
と説明している間に榎咲は悔しがり終えて、僕たちと同じテーブルに座ってきた沙音華と友達と話し始め、幸せそうにしていた。
今可愛い女の子と一緒だからはっぴー。確かにこれくらい単純思考じゃないと、単調な予備校生活は、やってられないよな。