第二話 主人公、試験官をぶっ飛ばす
ギルドにつくと、早速ギルド内がざわつき始めた。
「可愛い」
なんて声も聞こえてきた。やめてくれ本当に
僕は、急ぎ足で受付までいった。
「冒険者になりたいのですが」
「あらまあ可愛い娘。もって帰りたいわ」
あんたもか。
「ああ、冒険者になりたいのね。それなら試験官は今いないから、いないのうちにシステムを説明するわね。まずは実技よ。試験官と戦い、標準なら合格よ。標準以上なら、高いランクから始めることもできるわ。
ああ、ランクと言うのはG、F、E、D、C、B、A、S、SS、SSSの10段階があるのよ。
ちなみにSSSランクは、この国に3人しかいないのよ。だからその3人は、ヒエラルキーのトップってわけよ。だからその3人の頼みは、半分強制の様なものなの。
ちなみにその3人は、ギルドの本部長、国王、とある冒険者よ。
ああ、話がそれたわね。
試験に合格すると、一時間後に筆記試験があるのよ。それまでに勉強すると良いわ。
一時間しかなんて短いと思うだろうけど、冒険者は短時間で大量に覚えることができる記憶力が求められるの。
その試験も合格したら、色々と説明を受けて、晴れて冒険者になれるのよ。
ああ、ちょうど試験官が帰ってきたみたいだから、こっちに来てくれる?」
「わかりました!」
いよいよだ。この試験に合格すると、
夢にまで見た冒険者になれるのだ!
「お前が試験の受験者か?」
「はいっ!」
「これを使え」
試験官に、木でできた刀を渡された。
その人は、20代後半位の冒険者だった。
普通に戦っては勝てないだろう。だが、ゴブリン戦で色々な技を覚えていたのだ。
「では、始めます。用意、はじめ!」
「こいっ!」
試験官が叫んだ。
僕は、走りながら斬りかかった。
「なかなかやるではないか!」
5分ほどたったときだった。
「これならばどうだ!小娘!」
試験官が大きな一撃を出してきた。
僕は、この時を待っていたのだ!それと僕は、男です。
「縮地!」
この技は、一瞬にして相手の死角に移動する技である。
ちなみにこの技は初めから使うことができた。そして僕は、今使える中でも一番強いだろう技を出した。
「斬釘截鉄!」
すると、とんでもないことが起きた。
試験官が吹き飛び、壁にぶつかり気絶した。
「「は?」」
僕と審判の声がハモった。
えっと、どう言うことだろう。
僕ってこんなに力があったっけ?
「え、えーと受験者は、しばらく待っていてください」
10分後、受付のお姉さんが来た。
「ギルド支部長から呼び出しよ。ついてきてね」
ついていくと、大きな扉の前で止まった。
「ここが支部長室よ。入って」
「し……失礼します」
そこには、ムキムキの白髪混じりのおじさんがいた。
「そうこわがらんくてよい。はいってくれ」
僕はそう言われて、なかにはいった。
「嬢ちゃんがあの試験官をぶっ飛ばした受験者か?」
「はい。あと、僕は男です」
「「えっ?」」
今度は受付のお姉さんと支部長がハモった。
何分かの沈黙のあと、支部長から質問された。
「嬢ちゃ……えーとルナだったか?スキルは何じゃ?」
僕はノイズと、神の瞳の事を話した。
「何じゃそれは?とりあえずスキルシートを使ってみよう」
スキルシートとは、対象のスキルを書き出してくれる紙である。
出た結果は、同じだった。
ノイズが出た部分は黒く塗りつぶされていた。
「とりあえず、スキルについてはこちらでしらべておこう。それと、試験の結果じゃが、Cランク冒険者で合格じゃ。筆記はもういい」
「ありがとうございます!」
僕はギルドを出て、宿に向かった。
ちなみにギルドの職員は魅了の耐性が有るらしい。
宿の部屋についた。今日は、もうねることにした。明日は採寸なのだ。体を休めなければ。