第六話 三人前編
俊樹、真凛復活。
知音、能力取得。
怪物残り4体。
よし。まずは、この能力を試すしかない。
先程の結果からして、強度も上げられるようだ。利名子の体には傷一つない。
埃が霧をつくる。その奥からまた、声が聞こえる。
「あぁ? お前……まさか……まあいい……潰してやる」
「ハアアァッッ‼」
二本の光が向かってくる。頭ほどのサイズだ、当たったら恐らく死ぬだろう……。
それは早く、避けられる速さでは無かった。
「どおおおおおおおりゃーー‼」
その時、健人が巨大なバリアを作り、俺の目の前で光にぶつける。
「今だ! 知音、今がチャンスだ!」
「四人は俺が守ってやるよッ!」
ありがとよ。健人に感謝しつつ目の前の敵を倒すことを考える。
「オラァッ!」
足元にある瓦礫を怪物の元へ飛ばす。より鋭利に。より固く。大きさは指ほどから腕ほどだ。確実に倒せる。
ズバババッ!
手は止めない。足元にあった大量の瓦礫はどんどんなくなっていく。
誰もが、その光景の異質さに言葉を失う。
だが、それも数秒だけだ。また、声が聞こえてきた。
「……おいおい、そんなので俺が倒せるとでも思ったか」
⁉ 全く効いてないのか? そんな。
「本気、出してやるよ。お前らとはもうサヨナラだ。」
「消えちまえ!」
なんだ? 光がさっきとは比べられないほどデカイ。
「知音!避けろ!」
俊樹に従い、四人のいる建物へ急いで走る。が、これじゃ確実に間に合わない。
……この能力で、なんとかするしかない。
……そうか。急いで自分の衣服に能力を使い、自ら操る。足よりも早く来ている『物』を前に進める。体が追いつくのが難しいほどの速さで建物に逃げ込めた。
室内に入った瞬間に、真後ろから通り過ぎる音が聞こえた。
……最初と全く同じ展開だ。このままじゃ埒が明かない。
いや違う。むしろ終盤、決着がもうついてしまう。
先に詰めていたのは怪物だった。アイツは全身から放出し、身を削りながら建物へと突っ込んできていた。
「嘘だろ……⁉」
真凛と俊樹は今にも泣きそうになっている。
入り口側から怪物、健人、真凛、俺、レオ、俊樹の順番、怪物と健人の距離は5m、健人と真凛は俺の目の前だからほとんど同じくらいだが、多分、狙われるのは真凛だ。アイツは一人でも殺す事が好きなんだ。利名子を殺したように。真凛を狙って健人に守らせようと誘導してくるはずだ。俺以外の二人がターゲット……!
俺が守る!
「「「俺の能力をくらえ!」」」
え?
俺だけじゃない、レオさんも健人も前に出ている。
その瞬間だった。纏っていた光が全方位に放たれる。
「くそっ!」
「バリアだッ‼」
「グッ……グァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!‼」
「健人ッ‼」
なんとか助かった。だが、健人はバリアごと吹き飛ばされる。
一番奥の壁にすごい勢いでぶつかったが生きてるようだ。
だが、問題なのはそっちじゃない。レオさんが……片腕を消された。血が吹き出している。
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねェ!」
レオさんは俺達を庇い全てを受け止めた。
またもや、命は散った。目の前で。
「レオさん!!」
残り、四人。




