表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クリティカル・リアリティー  作者: ガラン/藍染
最終局面(VS存在しない怪物)
83/95

第七十四話 思いは繋がり

 ――ッ。どうやら落ちた衝撃で少し意識が飛んでしまったようだ。片手には知音の携帯を握っていた。壊さずに済んだみたいだ。下敷きにしている物はここに来るのに使った車のようで、随分とヘコんでいる。身体は能力のお陰で傷一つない。腕を動かしても痛みも感じなかった。



「……早く、屋上に向かわなきゃ」



 車体の上で寝返りを打ち、地面に落っこちる。



「……また階段昇るのか?」



 空を見上げる。いや、飛ぶという方法もある。しかし、それだと身体に負担がないとは言い切れない。



「君、いつまで考えているんだ?」


「……誰?」



 知らない男達が俺を囲んでいた。手には銃らしき物を持っている。



「……怪物の子で間違いないな。撃て」


「――な」



 咄嗟に能力を発動し壁を貼る。壁は影のように薄黒くなっていた。けたたましい轟音が響くが、銃弾は俺に触れる事無く地に堕ちた。



「何がッ、目的なんだよ!」


「君達、いや怪物を処分する為に来た。俺達はこの世界に生き続けたい。だから、お前らには犠牲になってもらう」



「――そうはさせないよ」



 今度は建物の方から怪しい光を纏う女が現れた。



「誰だ貴様は!?」


「能力、使わないんだね」



 そう言うと、女の指先から黒を纏った光が放たれた。語彙の少ない俺が例えるなら日食のような景色だった。



「……陽向……?」


「……誰かは分からないけど、彼女だったりする?」


「……そんなんじゃないです。俺の友達……って違う、お前は誰だよ」


「失礼だな、私は君を助けたんだぞ?」



 そう言われて周りを見渡した。男達は腹部や頭部を消されて息絶えていた。



「…………えっと、貴方は?」


「そう! それが礼儀……じゃなくて起き上がること出来る?」


「大丈夫です」



 俺は車に持たれながら立ち上がった。そうだ、時間が無い。面倒だが、この人の話を聞く暇はない。俺も戦わなければ。

 そうしてこの人に感謝の意を述べさっさと立ち去ろうとした。



「待って! 何が起こってるのか知りたいんだけど」


「屋上で仲間が戦ってる。俺も向かわないと」


「さっきの子と同じ事言ってるー。手伝おっか?」


「手伝うって……何をですか?」



 俺が首を傾げると女性は指を鳴らし誰かを呼んだ。



「私はね、貴方達の味方。さっきの男達は貴方のような怪物の能力を使う子供を殺して……恐らく()にいる奴に献上しようとしてる。それを止めに来た」


「何の利益が」


「――世界を救いたい。って――言ったら?」



 俺は少し悩んだが、その言葉を信じることにした。



「協力しよう」



 お互いの手を握り誓いあった。



























 * * *


 頭がまだズキズキする。目を開けると外が見える。窓が割れ、涼しい夜風が入り込む。



「う、うう……」


「雅姫さん!」



 何故ここにいるのか分からないが、あの男に突き落とされたのだけは覚えている。誰かが助けてくれたんだ。多分、健人だろう。



「も、もぉう何も、考えたくない……」



 手を握ったが、雅姫さんに振り解かれた。無理もない。恋人に親友の一人を失ったんだ。私はそっとしておくことにした。


 私は立ち上がった。



「戦わないと」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ