表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クリティカル・リアリティー  作者: ガラン/藍染
最終戦 (VSトラバネ)
78/95

第六十九話 サイカイ

 殺された子供の血を使い、場を支配する。血の雨を降らし次々と獣に姿を変えていく。そして全身に飛び散った血は武器に成り代わる。翼は剛翼に、爪は鋭利になる。



「……」


「……不気味だねぇ」



 声が聞こえた瞬間に地面を蹴り上げ、飛び立つ。姿を変える前に一撃を与える。



「ッ……」


「……」



 たとえキングに姿を変えても攻撃の手は止めない。ひたすら攻撃し続けて、隙を与えない。



「……ソイツの死因、再現してあげようか?」


「!?」



 肩を掴んで頭に思い切り噛み付いた。



「なっ!?」


「噛まれて死ね」



 脳天を貫く。普通に噛もうと思ったら、砕くのは難しい。なら、血を混ぜて噛み砕ける力のある牙に変えればいい。

 結果、頭蓋骨を砕かれ、怪物の血が吹き出る。



「……は、ははっ。私はずっと思っていたんだ。なんで、ここに居るんだろうって。私が力を求めたから、皆と生きていたかったから! なのに、一人で何してんだろ」


「う……ぐ……ぁ」


「……またね」



 怪物の体が崩れ、私も地面に叩きつけられる。



「……はあはあ……」


「……」



 仰向きになるように寝返りを打った。



「……」



「夢は見れたか?ガキ」


「……お前は……」


「俺はカイ。能力は爆発だ。最後の怪物でもある」


「……この戦争も終止符が打たれる」



 掌を私に向ける。怪物は笑わない。



「……遺言は?」


「……私はここで死なない」


 微かに地面が揺れている。音が聞こえる。



「……何だ」


「――真凛ちゃああああああああああああああんんん!!!!」



「雅姫さん……?」


「!? クソ!」



 車に掌を向け直すが、車体に当たらず寸前で爆発する。



「そのまま轢くわよッッ!!!!」



 鈍い衝突音がした直後にカイが轢かれたのが見えた。私は首だけ動かして見つめ続ける。



「……クソガキ共が……抗うなァッ!!」



 暗闇の中、閃光が目に入る――直前に何かに全身を包まれた。それは感覚で分かった。



「……わっ!」



 私は吹き飛ばされた。



















 * * *


「……これで全員護れた」



 健人が怪物に向かって語っていた。奥には炎上した車が見えた。



「……前はお前に皆殺されたんだ、今度こそ俺達が倒してみせる」


「……そうか」


「……これで最後にする。お前のような犠牲も、俺らみたいな犠牲も出さない為にも」



「だから、真凛。立ち上がってくれ。一人じゃない。ここにいるのは皆仲間さ!」



 へったくそだった笑顔が、自然な笑みになっていた健人を見て、理解した。私が半ば諦めたようになったわけじゃなくて、それでも仲間を信じ続けていた事。お互いを理解し合う努力をしてきた事が、頭に入ってくる。



「……もし、真凛が自力で起きる事が出来ないなら記憶をあげるよ。……復讐心は芽生えさせないでほしいけど」



 そう言って私の頭を触ってくる。すると、とてつもない情報が流れ込んで来た。前回までの全ての記憶が。目の前の怪物が何かまで理解した。

 憎むべき相手なのかもしれない。だけど、同時に混じって入ってきた健人の記憶が私を抑制する。



「……ああ、うん。まだ……よいしょ……戦うって……」



 皆が居たからまた立ち上がれた。向き合う事が、出来たんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ