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クリティカル・リアリティー  作者: ガラン/藍染
最終戦 (VSトラバネ)
68/95

第五十九話 吸血少女

58話の少し前から。

「このままじゃ、駄目だ」



 そう言って私は飛び出してきたんだ。なのに、何も出来ていない。

 あれから2日経った今、初めて人を見つけた。しかし、相手も能力者だ。



「フゥ〜今日の分終わり! 気付いたらもう五十人か! もうこれ俺の土地だな!」



 ……独り言を呟く小太りな男だ。男の言う通り大量に死体が男の足元に転がっている。これは、私が止めるしかない。



「おい、何やってるの」


「お? 子供がまだ生きてたのか……まあいいさ、同じ目に遭わせてあげ」


「そういうの、いいから」



 私は男の声を遮り近付く。誰でもいい、血を貰わないと。男でも死体からでもいい。そうすれば間違いなく男に勝てる。



(トラ)



 虎を作り出し、男に送りつける。



「屍共よ! 血を捧げろ!」



 男が叫んだ。その瞬間、幾つもの死体から血が鋭く鋭利な形に変化し襲い掛かってくる。私にとってそれは最高だが。



「……ッ! 血はどこに行った!? 俺の血は!?」


「喰ったんだよ私が。お前じゃ一生私に勝てない」



 体がドンドン軽くなっていく。飲む度相手の攻撃が遅く感じる。



「ガキ一人に負けるわけねぇだろ!!」









 * * *


「……勘弁してくれ……いや、してください」


「……ここの人達を、生き返っては殺すのを繰り返してたんだよね? 私とこの場所から遠のいてくれるなら許してあげるけど」


「……分かりましたよ」



 男は渋々私に従うようだ。……しかし、この戦いに意味はあったのだろうか。虚しい。



「……そうだ」


「貴方の名前は何ていうの」


荒野(あらの)斗真(とうま)……年齢31歳」


「倍も違いますね。荒野さん着いてきてください。あと攻撃しようとしても無駄ですから全部吸収します」





 * * *

 あれから4日間、二人で色んな所を周った。今は海廊中まで行くのに何時間もかかるとこまで来ている。此処からなら貴田財団に向かう方が若干近いのかな。



「明日で9月ももう終わるのか」



 荒野さんが呟いた。あれから色々あって今では普通に喋っている。



「……気配がする」


「……え? どこだ!?」



 近くに怪物を気配を感じる。一体どこから……



「いや……怪物は、お前だ。荒野」


「な、何を言って」


「荒野さんに成りすますなァ!」



 腕に凶暴な爪を生やし、切る。男の正体は怪物だ。



「チッ! 久しぶりだねえ、君は一人で何してるんだい? もしかして、仲間外れになっちゃった? ハハハハ!!」


 私には見覚えがない。恐らく前回会った怪物なのだろう。それでもここで殺す。





















 * * *


「はぁはぁ……」


「手を止めてると負けますよ!」


「くっ……おらぁっ!」


「そんな攻撃は私に通らないわよ!」


「おーい三人共一体ストップ! 大変だ、貴田(きだ)(あきら)が……来たぞ!」



「おい知音! 聞いたぞ! 無事か!? 心配で一人でここまで来てしまったぞ!」


「烈王は、烈王は無事か!?」



「……烈王さんは、拉致されました……」


「そんな……」


「……………………知音以外の貴方達は一体……?」



「魔莢です」


「愛莉です」


「この子達の担任、鈴木です。よろしくお願いします」









 * * *


「なるほど、そんな事が」



 俺達は今まで起きた出来事を全て話した。ここには俺達以外居ない事、この三人は元々能力者だった事、そして四人で鍛えて皆を守ろうとしている事。



「……何故、ここまで来ようと?」


「それは、向こうに居たときに聞いたんだ!」


「聞いたって……誰から!?」


「それは……」


「…………あれ、誰だっけ」


「暁さんはここに居てください。愛莉、知音! ここから出るぞ! 鈴木先生に後は任せます!」



 魔莢は俺達を引っ張り、武道場から飛び出た。



「まさか――」


「ああ、間違いない。これは罠だ。直ぐに奴らが襲ってくる。お前ら時間見てないと思うから言うけどもう八時だぞ!? 俺達が全員を守らないといけないんだ」


「……怪物が一匹、近い」



「……ワイヤー?」


「ッ!」



 寸前で愛莉がこれを切り、何とか避けられた。



「一体、どこから」


「居た。上だ。愛莉、魔莢。やるぞ」



「おう!」「分かった!」



 皆は、俺が守る。

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