第四十七話 四本の花
俺達が、怪物や光雷さんを倒して学校へ戻ってきた。それから、6日経つ。今日は九月二十三日だ。明日が誰かが襲撃してくる日だ。だが、その事はまだ誰にも話していない。一つは、烈王さんにある。
希那さんと出逢ってからはずっと外に出ようとしなくなった。希那さんの年齢は17歳で俺達と烈王さんの年齢の間位。しかし、彼女は架け橋にはならず、ただ俺達を引き裂く壁となった。
一週間で、明人と陽向は信じられないほど仲良くなった。その間を取り持ったのは意外にも健人だった。陽向は前回の戦いで健人に感謝しているんだろう。今週はずっと三人でいる。偶に、雅姫さんとかが混ざるくらいか。
知音は利名子と一緒にいる。能力を持ってない事が辛いようで、それを落ち着かせる為に知音が側に居る。俺が二人と喋る機会は減った。
真凛と俊樹は、未だに仲良くならない。それどころか、真凛は一人で能力の練習をし続け、俊樹も誰とも関わろうとしていない。
俺はこの一週間、ずっと図書館に篭って、花を調べていた。今まで貰った花の意味を。
* * *
二日前。俺は図書館で今まで貰った花を調べた。まず、ガーベラ、別名扶郎花の意味を調べた。意味はそのまま『希望』。色にも意味があって、愛莉から貰ったのはピンク色だった。その意味が分かったとき俺は衝撃を受けた。『崇高美』。彼女は意味を考えていると言っていた。これにも、意味がある。
次は、杜鵑草を調べた。これも、嘘は付いていないが、もう一つの意味があった。それは、『永遠に貴方の物』。……これは、何を指すのか。はっきりとは分からないが、何か伝えたいことがあるはずだ。更に紙をめくる手を速めた。
次は、マリーゴールドを調べた。コレは他と違って不吉な言葉が多い。その後に貰った夾竹桃もすぐに調べた。意味は……『注意』。注意って何を? これ迄が全て愛莉からのメッセージなのか? 思考をフル回転させ、考え続けた。貰った花の本数は3本。
ああ……。全て分かった。愛莉が何を言いたいのか。今まで、烈王さんや俺がずっと気にしていた裏切り者。それは、4人いる。……確実ではないが、誰かは何となく分かる。ただ、一人じゃ絶対に勝てない。皆に相談するんだ。でも、誰にすればいい。
健人か、それとも知音か。烈王さん達は絶対に辞めておこう。今の状況で協力してもらえるか怪しいからだ。そうだ……俺はこの中で一番理性が残っている。俺は託す人を決めた。
* * *
そして今に至る。
「……三人を集めたのには理由があるんだ」
俺は体育館のギャラリーに三人を集めた。下では何人かで遊んでいる。多分この会話を聞く人はいない。
「陽向が体調崩しててさ、看病してあげたいんだ」
陽向が昨日から体調を崩してから明人はずっと不安そうな顔をしていた。
「俺でどうにかなるなら手伝うよ」
遠慮しがちの健人も今回は乗り気だ。この状況を打破しようと思ってくるはずだ。
「まぁ、俺がいるから安心してくれや。能力もかなり仕上がってるぜ」
自信有りげな知音。間違いなくこの三人なら協力してくれるし、相当の戦力にもなる。と、言ってもほぼ全戦力と変わりないが。
「……裏切り者が、居るんだ」
「…………は?」
三人の声が揃った。仲間も一切疑って来なかったんだろう。冗談だと思っている表情をしていた。
「一体、誰なんだよ!」
「それは……」
「4人、居るんだ」
俺が知っている事を全て伝えた。三人は納得せず、健人に至っては狼狽えていた。
「ずっと、裏切ってたのかよ……!」
他の二人も驚きを隠せず、絶句していた。
「……健人と明人は、一緒に行動してほしい。俺と知音が一人一人相手をする」
「俺の予想だと、四人目が後から現れるはずだ。三箇所の内一箇所からな。連絡は取れるように携帯を用意した。何か合ったら速攻でメールでも送るか、電話を掛けてくれ。掛かって来た瞬間にすぐに察するから」
「……ああ、分かった。陽向の為だ。俺等四人で何とかしよう」
「当たり前……だ。死者をこれ以上出したくないからな」
「俺も……。雅姫さん達は俺が守るんだ。陽向が言ってた俺の能力も絶対開花させて見せる……!」
三人とも納得してくれた。そして、俺達は四人で拳を突き出し、お互いの拳をぶつけ合った。




