第三十四話 会議
「奴らはどうなった? 処理出来たか?」
「……いや、まだです。二人共協力出来ずに弘成と烈王に処理されました」
「……くッ…………‼ まあいいだろう……」
「……」
俺は今、『怪物』共の会議とやらに参加している。奴らの想定外の強さに驚いた馬鹿が緊急で開かれたものだ。
「……残りは『セイギ』に『カイ』、『トオル』と『サイコ』か……うーん」
「? そいつら誰ですか?」
「……オレがカイだ」
「いやᴡアンタじゃなくて『トオル』と『サイコ』ってどっちだよ?クソガキみたいな方と女のよ」
「私が『サイコ』。透明のやつが『トオル』。こっち側なら覚えておきなさい」
「……トオル。お前は彼らと接触したようだがどうだ?誰か殺せたか?」
「えーっと何人か自滅して死んだ。さっきの二人と他の能力持ちが二人生きてる」
「……人間を二人派遣させた。トオル、お前もすぐに戻って奴らを殺せ」
「は? 面倒くせえなー、つか勝手に派遣するとか無能すぎ……」
「いいから黙っていけよ」
「あ? 何先輩ぶってんだよセイギ様よぉ?」
「……」
「もういい解散。トオルは烈王達を協力して殺せ。他の怪物は自由に人間を殺せ。もしトオルが失敗した場合は『虎羽』は三人の様子を見て彼と共に烈王達を殺害した後、ここまで運んでくれ」
「「了解」」
サイコとカイが返答し、他の怪物も立ち上がり、いつの間にかその場から消えた。
「なあアンタ」
「なんだい?虎羽君」
「アンタ俺達に勝機あると本当に思ってんのか? 怪物側が不利すぎる。もう補欠も居ないだろ」
「彼らが人を殺す事ができないとでも?」
「……どいつもこいつも舐めやがって」
「ふっ……頼んだよ、〈能力共有〉君」
俺は指揮官を背に、この地下から抜け出した。
恐らくトオルも失敗する。その時の為、今の内に向かうしかない。相方はすっかり溶け込んでいるようだ。奴が生き返り次第実行する。
* * *
町を歩く。ここらへんは怪物共が殺している為既に俺以外の人はいない。
……そう思っていたが、近くから人の気配がする。それも二人だ。加えて殺気まで放っている。俺の能力上相手が能力者なら一撃喰らわないといけない。だから、敢えて気付かないふりをしている。
「さようなら!」
砂が舞い、俺に向かってくる。
「ッッ!」
相手は能力者で間違えない。問題はもう一人だが。
「おい声先に出すな」
「ふふ、ごめんごめん」
「おーし、今から殺してやるぜ」
チャラチャラした男女。女の方の能力か。男は拳の骨を鳴らしながら距離を詰めてくる。俺が能力者だと知らずに。
女の能力もどんな物かわかった。早く、ドンドンと俺に距離も詰めてくるがいい。
「逃げねえとは偉いな? だが死ねェ!」
顔を殴られる瞬間に女の能力を使い、軽減する。俺は吹き飛ばされ、壁に打ち付けられたが、拳の直撃は避けられた。
「お前らの能力、大体分かったぜェ」
「何言ってんだお前」
「お前は前菜なんだよ!」
「…………そうか、お前らが派遣か」
「あ?」
「なんかウザいから殺してやる」
男の能力は攻撃した場所に衝撃波を放つ。女の能力は砂を操るに違いない。
男がまた直線上に突っ込んでくる。砂を操り、壁にする。男の拳によって砂は吹き飛ぶが、俺には当たらない。懐に入った俺は完璧な一撃を与え、近くの建物の硝子に男は吹き飛ばされた。
「なっ……なんで」
「お前らのような二流に負けるわけがねぇよ」
「これはどうかな?」
女が突っ込んでくる。全く馬鹿だな。
俺は空を殴り続ける。
「そんな事して何の意味が……」
衝撃波は女に鋭く突き刺さる。六度程打ち込まれた女は壁に叩きつけられ動かない。
「グ……ぁ」
「これ以上は無理だな。さっさと雑魚共は弘成達を殺しにいけ」
「あな……た……誰……」
「こんな場所でカモでも探してんならさっさと造坂に行け。命令じゃないのか?あいつらを殺せって」
「……」
「ああそれと、ありがとうな」
これで二人の能力を扱える。どちらもそこまで強くはないが相性が良い。
この2つと彼の持つ能力さえあれば俺は。
最強になれる。




