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クリティカル・リアリティー  作者: ガラン/藍染
十六巡目開幕編
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第二十六話 リベンジマッチ

「いやーやっぱり『劇場版キンニクプリズン2 恐怖!異形の人間VSマッスル連合』は面白いねー! 主人公もかっこいいんだけど、異形側の女の子も可愛いから何回見ても面白いな!」

 明人が言うことはとても分かる。だけども、今はそれどころじゃない。

「おいおい弘成もコレ好きだろ?もっと楽しもーぜ」


「……流石に見慣れちゃったかな」


「見慣れても喜んで見てるやつだって結構いるぜ?俺とか、……うさちゃんも」


 多分、このうさちゃんと言うのは利奈子の事だろう。彼女の苗字は秘兎(ひめうさぎ)。普段なら相当怒るだろうが、彼女は耳に留まらないほどテレビに集中していた。


 ――時間的にそろそろ怪物が現れるだろう。他の三人とも作戦会議は済んでいる。俺と真凛でクラスメイトが外に出ないように誘導。知音と陽向が怪物と交戦し、健人が支援&全体の防衛。怪物の強さは分からない。だけど戦闘慣れしている二人もいる。あの時とは違うんだ。

 ――そういえば、ハザマさんはどこに――

「おい弘成、そろそろだ。明人も弘成の言うことしっかり聞けよ」


「ああ……」


「え? 何が起こるの?」


「――明人。今窓際にいるやつを全員移動させてくれ。出来れば真ん中辺りまでに」


「お、おう?」


 明人はその一言だけで周りの人達を誘導しだした。


「なんだなんだー? サプライズかぁ?」


「『キンプリ』イイとこなのに……」


「これで何もないわけ無いよね?」


 ザワザワとしだす室内に呼応するように自らの心臓鼓動が速まる事に気づく。


「知音、こっちは準備できたよ」


「……さぁ、こい」


「何が始まんだ?」


「何だこの茶番は」


 ……………………


「!? 真凛避けろ!」

 俺よりも後ろにいる明人の声。振り向くと同時に窓が割れ、大きな拳が真凛を襲う。明人は真凛に体当たりして避けさせようとしている。その時だった。

 奴の拳は空で止まった。


「――間に合った。前みたいにはさせない」


「ナッンダオメェハア゛ァ゛ァ゛」


 叫び声がすぐに途切れたと思ったら、奴の顔面に熱を帯びた光が差し掛かり、腕には知音が刃物らしき物で切りかかっていた。右腕は知音によって切り落とされる。

 怪物はよろけ落ちていく。室内は一瞬の沈黙の後、次々に悲鳴が上がる。


「……あ。説明は後で! 俺! 弘成がするから! 少しだけ落ち着いてくれ!」


「弘成、俺達で奴を殺しに行くから皆落ち着かせといてな」


 二人は飛び降りて怪物を追う。

 健人は駆け出しベランダから能力を使って無事に二人は着地する。


 健人ともにベランダから二人を見下ろす。他の皆は真凛に任せた。


 俺がベランダに出るまでの間に既に戦闘は行われていたようで、お互いに息を切らしながら戦っている。


「ヤッパリ『カイ』ノイッタ トオリダナ!」


「カイって誰だ?」


 ……。何だか嫌な予感がする。


「ヴッ」


 さっき切り落とされたはずの奴の腕が健人を掴み、そのままベランダから落っこちる。


 健人は腕を押さえつけられたせいか能力を使えずに腕ごと地面に衝突する。

 健人は、ピクリともしなかった。

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