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第十一話 静寂(3)

弘成達は立花という男に出会い、貴田財団の存在を知る。

 四人の視線が利名子に降り注ぐ。利名子は怯えた目でこちらを見る。


「知音、死んじゃった」


 え。突然現れた利名子に衝撃の事実を伝えられ動揺する。

 あの知音が、死ぬなんて。


「それで……ずっと一人で逃げてて……それで私……‼」


 利名子は抑えていた感情を露わにし、泣き出した。

 俺達は利名子の元へ行き慰める。ただ一人を除いては。

 立花は手を後ろに回し隠し持っていた拳銃を取り出し、利名子へ向ける。


「君達には悪いが、そこの真ん中の女の子、何か怪しいね、そいつは怪物の可能性があるんだ。こっちに渡してくれないか」


 脅しに対して利名子は対抗する。


「た、助けて……! この人に昨日襲われて……!  私を追ってここまで来たんだわ……!」


「確定だな、悪いがこいつから離れてくれ、撃ち殺す」


 そんなのおかしい。俺は利名子の前に立ちふさがる。

 俺は人を殺すなんておかしいだろ! と伝えたが立花は顔の表情を変えずに銃口を突き付け続ける。


「人を殺す……? 当たり前だ、この世界では人は一日で生き返る……ルールの一つだ。」


 明人も利名子を守るために前に一歩出る。


「そうだ! 殺すなんて……おかしいよ! 感情無いのかよ!」


「感情……それは理想論だ。安全策を取りたいんでね、ここで怪物、いや〈セイギ〉の可能性があるなら殺すべきなんだ。」


 立花さんは今にも撃ちそうだが俺は動かない。睨み合いが続く。

 その時だった。


 ――やっと見つけたよ……


 俺達が来た道とも、立花さんが来た道とも違う別の道から男の声が聞こえた。やはりある程度の距離がある。

 黒いフードを深く被り、マスクをつけているので顔ははっきりと見えないが男性らしき雰囲気を醸している。右手には金属バット、左手はポケットに突っ込んでいるが、他にも何か隠していることが分かる。

 立花はその男に向かい、何をしているのか尋ねるが無視してその男は近づいてくる。


「これ以上向かってくるなら、悪いが私はキミも撃つぞ。警告したからな。」


 立花が言い終わるよりも少し早く男は走り出し、立花はすぐに銃を撃つも当たらず、どんどんと距離を詰められる。

 男はまず右手の金属バットを銃を持つ腕に振り落とし、左手で隠していたカッターで首元を掻っ切る。男は一言、


「なんだ、見せかけの雑魚か」


 立花さんは体制を崩し、尻餅をつき、首元に手を当て血を止めようとしている。

 男は金属バットでもう一度殴りつけ、さらにもう一度殴りつけ立花さんは動かなくなった。

 俺達は恐怖で足が竦み逃げられない。

 男は立花さんの死を確信し、カッターをしまい、立花の銃を拾ってまた俺達に向け話し始める。


「さっきの雰囲気からして、背が低い方の女が怪物らしいな?〈セイギ〉だったか?俺と勝負しようぜ。コロシアイだ」


「もしその女を渡さないなら……てめえら全員殺してやるよ」


 こいつはヤバイ。人間離れした奴で、もしかしたら昨日の三人組のような能力を持っているかもしれない。だが、俺達は利名子を守る。そう思っていたが本人は違ったようだ。


「……分かったわ」


 俺達を押し退け利名子は前へ出ていく。何か策でもあるのだろうか……


弘成編もあと数話かな?

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